内部監査


最近、第二種、投資助言代理、投資運用の方々から、「内部監査」に関するご質問を多く受けますので、内部監査についてまとめることにしました。

<内部監査の外部委託>
問い合わせの多いご質問に「内部監査は外部委託できますか」というものがあります。結論からいいますと、私は「できない」と考えています。

内部監査(Internal Auditの邦訳)は、まさに「内部」(Internal、「社内の」の意味)にある監査部門であって、外部委託された者は、「外部監査」(「外部」はExternal、「社外の」の意味)になってしまい、内部監査ではないのが理由の一つです。

なぜ、社内に(内部に)監査部門が必要なのか。

それは、外部から指摘されるのを待つのではなく、内部で監査し、内部で不備があれば発見し、内部で改善するという「自浄作用」が金融商品取引業者等には求められるからです。

<内部監査の兼任>
「内部監査は、毎日仕事があるわけではないので、専任者を置くのが大変だ」

内部監査担当者の他の部門と兼任させることができるかといえば、本来的には、不可だと考えます。

「営業部門でなければ兼任させることができるのではないか」

内部監査は、会社の「すべて」の部門を監査します。もし、内部監査担当者が別の部門を兼任していたら、自分で自分を監査することになってしまい、その部門に関しては適切な監査ができなくなってしまいます。だから、本来、兼任できません。

<内部監査の役割>
「内部監査は、1年に1回か2回しか仕事がないのに、専任にはできない」

例えば、証券会社の内部監査担当者は、どれくらいの頻度で内部監査をしているでしょうか。1年に2回でしょうか、4回でしょうか。正解は、毎日、です。

内部監査は、年度初めに立てた内部監査計画に従って、監査対象部門の日常業務をつぶさに精査(監査)します。規模が小さければ、すべての日常業務を監査します。

すべての書類を精査するだけでも時間がかかります。その上、最大漏らさず、監査し、少しでも不備があれば、一つ一つ「監査レポート」にまとめるのです。年に1回や2回では、とてもできる仕事ではありません。

内部監査に仕事がない、などということはあり得ません。

テーマ : 金融商品取引法
ジャンル : ファイナンス

プロフィール

川崎善徳

Author:川崎善徳

<ブログの紹介>
金融商品取引法の体系としては、「金融商品取引法」、「金融商品取引法施行令」の他に、「定義府令」、「企業内容開示府令」、「特定有価証券開示府令」、「証券情報提供府令」、「金商業等府令」、「取引等規制府令」、「開示ガイドライン」などがあります。つまり、膨大だということです。

ただし、金融商品取引法が対象としているものは、2つしかありません。「有価証券」と「デリバティブ取引」です。これ以外のことを金融商品取引法は対象にしていません。また、金融商品取引法の規制には、3つの種類しかありません。「開示規制」、「業者規制(行為規制)」、「不公正取引規制」です。先に挙げた内閣府令はすべて(例外なく)、この3つのいずれかに関連しています。

開示規制は、上場会社や公募債発行の経験あるいは予定のある会社に関わる規制です。業者規制は、金融商品取引業者はもちろん、自主規制機関にも関わる規制です。不公正取引規制は、すべての人(個人・法人、居住者・非居住者を問わない)に関わる規制です。このため、膨大かつ難関な法律とされています。

このブログは、膨大かつ難解な金融商品取引法を、実務経験と知識に基づき、実務に役立つように、やさしく解説している、金融商品取引法の実務に関する日本初の、情報量で国内最大のブログです。

<プロフィール>
川崎善徳。1988年、慶應義塾大学文学部卒業、住友信託銀行に入社。1992年から証券業務のコンプライアンスを担当。1999年、転職し、アセットマネジメント会社や銀行のコンプライアンス部門を経て、BNPパリバ証券コンプライアンス部長、新生証券取締役コンプライアンス部長を歴任。2004年、行政書士登録。JSL行政書士事務所代表。

JSL行政書士事務所は、200社以上の金融商品取引業者との取引経験に基づき、金融商品取引業者の監査とコンサルティングを実施するコンサルティング・オフィス。また、金融商品取引業者のM&Aのアドバイザー、社内研修の講師、セミナーの講師も行っている。顧問契約を締結している金融商品取引業者は、証券会社(一種業者)、不動産信託受益権販売業者(二種業者)、事業型ファンド販売会社(二種業者)、不動産信託受益に関する助言業者(助言業者)、株券に関する助言業者(助言業者)、不動産AM(運用業者)他と多様な業種に及ぶ。

著書・雑誌:「金融商品取引法の基本がよくわかる本」(中経出版)、「金融商品取引法対応マニュアル」(住宅新報社)、「プレジデント」(取材)、「週刊金融財政事情」(取材)他

社内研修:東証一部上場会社、ジャスダック上場会社、上場会社の子会社、独立系企業、外資系企業と多岐にわたる金融商品取引業者の依頼に応じて日本全国で役員研修・社員研修を実施

セミナー講師:「投資助言業者のための検査対策」(金融財務研究会)、「第二種金融商品取引業者のための検査対策」(金融財務研究会、金融ファクシミリ新聞)、「第二種金融商品取引業者のための効果的な内部監査」(金融ファクシミリ新聞)

JSL行政書士事務所代表
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-3-2 郵船ビルディング1階
電話:03-5533-8785
http://office-jsl.com/

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