証券取引等監視委員会検査2


10年以上前になりますが、私がまだ30代だった頃、当時勤めていた証券会社に、金融庁と証券取引等監視委員会の合同検査を受けました。しかも、このとき私は証券会社のコンプライアンス部門に所属していたはずが、同時にグループの銀行に入った検査の対応もすることになり、毎晩(毎朝?)4時まで、検査官(検査を行う方たちのこと)から出された宿題をこなし、毎朝9時から副主任検査官とのミーティングがあったので、一日の睡眠時間は3時間を切る日が続きました。

ついに私は会社で体が動かなくなり(ストレスによる腰痛)、救急車で大病院に担ぎ込まれるという「事件」に発展しました。この事件をきっかけに、過酷な検査はなくなり、現在では、当時を知っている私から見ると「穏やかな」検査が行われています。

もっとも、私の目には穏やかな検査にみえる検査にもかかわらず、臨店検査中に女性社員が一人、検査が怖くて辞めてしまったという話を聞きました。

<検査開始時刻>
当時と変わっていないことの一つに、検査の一日の流れがあります。

検査官は、だいたい9時に皆さんの会社にきます、という話を先日クライアントにしたところ「うちは、8時30分にきました!」と言われたことがあります。

証券会社や銀行は、8時30分と言えば、ほとんどすべての従業員が出社している時間なので問題ないですが、どうでしょうか、業態によっては、就業時間が9時30分とか10時という会社もあるかもしれません。

でも、検査は9時に始まります。だからと言って「金融商品取引業者である以上、就業時間は8時30分にしなけれればダメです」とは言いません。

最近の検査の傾向として、本来例外であるはずの「予告検査」が多いというのが実感です。私が知っている最近の検査は、すべて「予告検査」です。

<予告検査>
予告検査とは、文字通り、「いついつから検査を行います」という事前連絡が、証券取引等監視委員会(財務局管轄の場合は財務局)から入る検査です。

主任検査官から代表取締役に電話がかかってくるのですが、先日、私の知っている会社に入った予告検査では、電話が9時にかかってきたそうですので(業態は宅建業)、やはり、9時までには誰か会社にいた方が良さそうです。

テーマ : 金融商品取引法
ジャンル : ファイナンス

プロフィール

川崎善徳

Author:川崎善徳

<ブログの紹介>
金融商品取引法の体系としては、「金融商品取引法」、「金融商品取引法施行令」の他に、「定義府令」、「企業内容開示府令」、「特定有価証券開示府令」、「証券情報提供府令」、「金商業等府令」、「取引等規制府令」、「開示ガイドライン」などがあります。つまり、膨大だということです。

ただし、金融商品取引法が対象としているものは、2つしかありません。「有価証券」と「デリバティブ取引」です。これ以外のことを金融商品取引法は対象にしていません。また、金融商品取引法の規制には、3つの種類しかありません。「開示規制」、「業者規制(行為規制)」、「不公正取引規制」です。先に挙げた内閣府令はすべて(例外なく)、この3つのいずれかに関連しています。

開示規制は、上場会社や公募債発行の経験あるいは予定のある会社に関わる規制です。業者規制は、金融商品取引業者はもちろん、自主規制機関にも関わる規制です。不公正取引規制は、すべての人(個人・法人、居住者・非居住者を問わない)に関わる規制です。このため、膨大かつ難関な法律とされています。

このブログは、膨大かつ難解な金融商品取引法を、実務経験と知識に基づき、実務に役立つように、やさしく解説している、金融商品取引法の実務に関する日本初の、情報量で国内最大のブログです。

<プロフィール>
川崎善徳。1988年、慶應義塾大学文学部卒業、住友信託銀行に入社。1992年から証券業務のコンプライアンスを担当。1999年、転職し、アセットマネジメント会社や銀行のコンプライアンス部門を経て、BNPパリバ証券コンプライアンス部長、新生証券取締役コンプライアンス部長を歴任。2004年、行政書士登録。JSL行政書士事務所代表。

JSL行政書士事務所は、200社以上の金融商品取引業者との取引経験に基づき、金融商品取引業者の監査とコンサルティングを実施するコンサルティング・オフィス。また、金融商品取引業者のM&Aのアドバイザー、社内研修の講師、セミナーの講師も行っている。顧問契約を締結している金融商品取引業者は、証券会社(一種業者)、不動産信託受益権販売業者(二種業者)、事業型ファンド販売会社(二種業者)、不動産信託受益に関する助言業者(助言業者)、株券に関する助言業者(助言業者)、不動産AM(運用業者)他と多様な業種に及ぶ。

著書・雑誌:「金融商品取引法の基本がよくわかる本」(中経出版)、「金融商品取引法対応マニュアル」(住宅新報社)、「プレジデント」(取材)、「週刊金融財政事情」(取材)他

社内研修:東証一部上場会社、ジャスダック上場会社、上場会社の子会社、独立系企業、外資系企業と多岐にわたる金融商品取引業者の依頼に応じて日本全国で役員研修・社員研修を実施

セミナー講師:「投資助言業者のための検査対策」(金融財務研究会)、「第二種金融商品取引業者のための検査対策」(金融財務研究会、金融ファクシミリ新聞)、「第二種金融商品取引業者のための効果的な内部監査」(金融ファクシミリ新聞)

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JSL行政書士事務所代表
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