初陣で敗れる!


初めての就職活動
私は官庁訪問に忙しく、まともに就職活動をしていませんでしたので、通りがかりに見つけた住友信託銀行に入ると、とりあえず、「採用、やってますか?」と受付に訪ねました。すると、上の方の階(何階だか忘れました)でやっているのでどうぞ、と入れてくれました。

一見すると、これ、普通の行為のようですが、かなり偶然です。もし、私が八重洲にいて住友信託銀行を見つけて、八重洲支店に同じ質問をしても、ここではやってません、という回答だったでしょう。たまたま見つけた格好のいいビルが、偶然にも東京の本部だったので、面接をしていたわけです。

待合室となっていた広いミーティングルームで、私は1時間近く待たされました。就職活動をしていなかったので、ルールがわからず、そんなものかと思って、ボーっと呼ばれるのを待っていました。すると、一人の男性社員が入ってきて「30分以上待っている方、いますか」と聞くので、手を上げて1時間待っている旨を伝えました。今思えば、なんてのんきな学生だと思われたかもしれません。

涙のファイナル
今の住友信託銀行の採用プロセスは知りませんが、当時は、同じ大学卒の社員と次から次へとミーティングをしていき、最後に人事部の方にあって、採用かどうかが決まる方式でした。ただ、私の場合は、少し他の人とは違いました。後から聞いたら、普通は4、5名の社員と会う程度だったらしいのですが、私は約20人と面接しました。面接していただいた方々は、どの方をとっても、気さくでいい人だと思いました。話しやすい人たちでした。

途中、「食事に行こうか」と食事に行って、また、戻ってきて総勢約20人と会ったので、かなり疲れましたが、良い感触だったので、うちに帰ると両親に「いい人たちが集まっている会社があった」と話しました。母親がそれを聞いて喜んでいました。いい人たちに囲まれた会社に入社が決まったと思ったのでしょう。

次の日も来てくれという話でしたので、翌日、私は、官庁訪問をサボって、住友信託銀行に行きました。行くと、昨日会った20人ほどの人が一斉に集まっていました。そこで、「実は、採用活動は終わっていたんだ」「君を採りたいと意見が多かったんだが、もう終わっているからダメなんだ」と言われてしまいました。私も、のんきな者で、「はあ、そうですか」と言って帰ることにしました。

私が、エレベーターに向かって歩き始めると、全員がついてきました。エレベーターを待っていると、自然と涙が出てきました。20人の方々も涙を流しています。私の涙は「こんないい人たちに、もう会えない」ということが悲しくて流れた涙でした。落ちたことが残念などという気持ちはまったくありませんでした。昨日会っただけの人たちだったのに、もう会えなくなるのが悲しくて悲しくてなりませんでした。一緒に涙を流してくれた方々も同じ気持ちだったようです。

うちに帰り、「ダメだったよ」と両親に話をすると、昨日喜んでいた反動か、母も涙を流していました。

テーマ : 金融商品取引法
ジャンル : ファイナンス

コメント

非公開コメント

プロフィール

川崎善徳

Author:川崎善徳

<ブログの紹介>
金融商品取引法の体系としては、「金融商品取引法」、「金融商品取引法施行令」の他に、「定義府令」、「企業内容開示府令」、「特定有価証券開示府令」、「証券情報提供府令」、「金商業等府令」、「取引等規制府令」、「開示ガイドライン」などがあります。つまり、膨大だということです。

ただし、金融商品取引法が対象としているものは、2つしかありません。「有価証券」と「デリバティブ取引」です。これ以外のことを金融商品取引法は対象にしていません。また、金融商品取引法の規制には、3つの種類しかありません。「開示規制」、「業者規制(行為規制)」、「不公正取引規制」です。先に挙げた内閣府令はすべて(例外なく)、この3つのいずれかに関連しています。

開示規制は、上場会社や公募債発行の経験あるいは予定のある会社に関わる規制です。業者規制は、金融商品取引業者はもちろん、自主規制機関にも関わる規制です。不公正取引規制は、すべての人(個人・法人、居住者・非居住者を問わない)に関わる規制です。このため、膨大かつ難関な法律とされています。

このブログは、膨大かつ難解な金融商品取引法を、実務経験と知識に基づき、実務に役立つように、やさしく解説している、金融商品取引法の実務に関する日本初の、情報量で国内最大のブログです。

<プロフィール>
川崎善徳。1988年、慶應義塾大学文学部卒業、住友信託銀行に入社。1992年から証券業務のコンプライアンスを担当。1999年、転職し、アセットマネジメント会社や銀行のコンプライアンス部門を経て、BNPパリバ証券コンプライアンス部長、新生証券取締役コンプライアンス部長を歴任。2004年、行政書士登録。現在、JSL行政書士事務所代表。多数の金融商品取引業者の顧問に就任。

JSL行政書士事務所は、100社以上の金融商品取引業者との取引経験に基づき、金融商品取引業者の監査とコンサルティングを実施するコンサルティング・オフィス。また、金融商品取引業者のM&Aのアドバイザー、社内研修の講師、セミナーの講師も行っている。顧問契約を締結している金融商品取引業者は、証券会社(一種業者)、不動産信託受益権販売業者(二種業者)、事業型ファンド販売会社(二種業者)、不動産信託受益に関する助言業者(助言業者)、株券に関する助言業者(助言業者)、不動産AM(運用業者)他と多様な業種に及ぶ。

著書・雑誌:「金融商品取引法の基本がよくわかる本」(中経出版)、「金融商品取引法対応マニュアル」(住宅新報社)、「プレジデント」(取材)、「週刊金融財政事情」(取材)他

社内研修:東証一部上場会社、ジャスダック上場会社、上場会社の子会社、独立系企業、外資系企業と多岐にわたる金融商品取引業者の依頼に応じて日本全国で役員研修・社員研修を実施

セミナー講師:「投資助言業者のための検査対策」(金融財務研究会)、「第二種金融商品取引業者のための検査対策」(金融財務研究会、金融ファクシミリ新聞)、「第二種金融商品取引業者のための効果的な内部監査」(金融ファクシミリ新聞)

メールマガジン:、読者数国内最多の金融商品取引法専門メールマガジンを金融商品取引業者と金融当局に配信中

JSL行政書士事務所代表
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-3-2 郵船ビルディング1階
電話:03-5533-8785
http://office-jsl.com/

<お問い合わせ>
お問い合わせは、お問い合わせフォームで受け付けます。

<主な業務>
主な業務は、主な業務をご覧ください。

ブログの内容は個人的見解ですので、正確性は保証いたしません。また、ブログの内容に関する質問を含め、質問には一切回答いたしかねますので、ご了承ください。

プライバシーポリシー

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
Translation
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード