初めての外資系


コンプライアンスは法令遵守ではない
外資系にいって驚いたのは、コンプライアンスがなかったことです。正確に言うと、あるにはあったのですが、社内ルールがほとんどすべて「グローバル・ルール」だったことです。要するに、本店のルールを日本支店にも適用していたのです。

ルールは国によって異なります。日本には日本のルールがあるのです。文化的背景の違いから、まったく違うルールが各国にあるわけです。道徳観も違います。ルールは道徳観も反映します。

ちなみに、「コンプライアンスは法令遵守ではない」と公言したのは、日本では(おそらく世界でも)私が最初です。なぜ言い切れるかというと、1994年(平成6年)に始めた自分のホームページで公表したからです。

当時のウェッブブラウザーは、mozira(後のNetscape)の前の、mozicでした。文字だけのホームページです。ブログなんてありません。httpとうい言語を覚え、自分でゼロから作る時代でした。ホームページは、後に現れたYahooにurlが表示されました。ホームページの数が少なかったため、いやでも検索エンジンの1ページ目に載りました。私が、「コンプライアンスは法令遵守ではない」とホームページに書いたのは、その前の時代です。コンプライアンス(Compliance)という単語さえ、見つけるのが不可能だった時代です。だから、私が最初に公言したという自信があるわけです。

外資系に入社
外資系にはいった頃、私の英会話能力は、ほぼゼロでした。でも、日本のルールを外国人にも知ってもらい、定着させなければなりません。会議で話す英語能力は完全にゼロでしたので、一対一のミーティングをたくさん作って、手振りやホワイトボードに絵を書きながら、日本のルールを浸透させていきました。

当時の外国人の反応は全員同じでした。例外なしです。

「そんなこと知らなかった」
「聞いたことがない」

おい!って感じです。

本格的な当局検査
この間、私は何度か証券取引等監視委員会の検査を受けました。よく転職していましたので、いく先々で検査を受けたのです。始めの頃は、とても「優しい」検査でした。キャビネとの中身と机の中身は全部持っていかれてしまいましたが、「これは何ですか?」という質問に、「ああ、これはこういうものです」と回答するくらいで、あっという間に検査は終わってしまう時代でした。

英語にもなれ、社内研修をたくさんこなすようになり、日本の法令諸規則が外国人にも理解されるようになりました。当時は、日本人のコンプライアンスも怪しいものでしたが・・・

平和な日々を過ごしていた中、私にとっては人生を変える検査を迎えることになるのです。

2000年(平成12年)2月12日

この日から2ヶ月近く続いた検査を、私は一生忘れることができません。

テーマ : 金融商品取引法
ジャンル : ファイナンス

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プロフィール

川崎善徳

Author:川崎善徳

<ブログの紹介>
金融商品取引法の体系としては、「金融商品取引法」、「金融商品取引法施行令」の他に、「定義府令」、「企業内容開示府令」、「特定有価証券開示府令」、「証券情報提供府令」、「金商業等府令」、「取引等規制府令」、「開示ガイドライン」などがあります。つまり、膨大だということです。

ただし、金融商品取引法が対象としているものは、2つしかありません。「有価証券」と「デリバティブ取引」です。これ以外のことを金融商品取引法は対象にしていません。また、金融商品取引法の規制には、3つの種類しかありません。「開示規制」、「業者規制(行為規制)」、「不公正取引規制」です。先に挙げた内閣府令はすべて(例外なく)、この3つのいずれかに関連しています。

開示規制は、上場会社や公募債発行の経験あるいは予定のある会社に関わる規制です。業者規制は、金融商品取引業者はもちろん、自主規制機関にも関わる規制です。不公正取引規制は、すべての人(個人・法人、居住者・非居住者を問わない)に関わる規制です。このため、膨大かつ難関な法律とされています。

このブログは、膨大かつ難解な金融商品取引法を、実務経験と知識に基づき、実務に役立つように、やさしく解説している、金融商品取引法の実務に関する日本初の、情報量で国内最大のブログです。

<プロフィール>
川崎善徳。1988年、慶應義塾大学文学部卒業、住友信託銀行に入社。1992年から証券業務のコンプライアンスを担当。1999年、転職し、アセットマネジメント会社や銀行のコンプライアンス部門を経て、BNPパリバ証券コンプライアンス部長、新生証券取締役コンプライアンス部長を歴任。2004年、行政書士登録。現在、JSL行政書士事務所代表。多数の金融商品取引業者の顧問に就任。

JSL行政書士事務所は、100社以上の金融商品取引業者との取引経験に基づき、金融商品取引業者の監査とコンサルティングを実施するコンサルティング・オフィス。また、金融商品取引業者のM&Aのアドバイザー、社内研修の講師、セミナーの講師も行っている。顧問契約を締結している金融商品取引業者は、証券会社(一種業者)、不動産信託受益権販売業者(二種業者)、事業型ファンド販売会社(二種業者)、不動産信託受益に関する助言業者(助言業者)、株券に関する助言業者(助言業者)、不動産AM(運用業者)他と多様な業種に及ぶ。

著書・雑誌:「金融商品取引法の基本がよくわかる本」(中経出版)、「金融商品取引法対応マニュアル」(住宅新報社)、「プレジデント」(取材)、「週刊金融財政事情」(取材)他

社内研修:東証一部上場会社、ジャスダック上場会社、上場会社の子会社、独立系企業、外資系企業と多岐にわたる金融商品取引業者の依頼に応じて日本全国で役員研修・社員研修を実施

セミナー講師:「投資助言業者のための検査対策」(金融財務研究会)、「第二種金融商品取引業者のための検査対策」(金融財務研究会、金融ファクシミリ新聞)、「第二種金融商品取引業者のための効果的な内部監査」(金融ファクシミリ新聞)

メールマガジン:、読者数国内最多の金融商品取引法専門メールマガジンを金融商品取引業者と金融当局に配信中

JSL行政書士事務所代表
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-3-2 郵船ビルディング1階
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