アセット・ファイナンス3


今年は、株式や社債での資金調達が難しい年になると予想しています。

株式や社債を発行するのは簡単です。発行する企業の側からすると簡単なのですが、投資家がいません。

ある証券会社の方の話では、今年は株式の売買が低調なようです。投資家がいないからです。リスク商品に対する投資マインドは冷え切っているからです。社債市場にしても同じことです。

既に発行された株式や社債を売買する市場を「流通市場」といい、企業が新たに株式や社債を発行する市場を「発行市場」といいます。

流通市場が低調ならば、普通、発行市場も低調になります。投資家がいないため、流通市場が低調だと、企業が株式や社債を発行して資金調達をしようとしても、調達コストが高くなる、つまり、有利な条件で調達できなくなるからです。株式なら安い価格でしか発行できなし、社債なら高い利率をつけなれば売れないということです。

アセット・ファイナンスは違います。「いや、同じだ」という議論もありますが、株式や社債に集まっていたお金は、株式や社債に投資されなくなるとどこかに行きますから、受け皿としてアセット・ファイナンスは有効です。

今年は、アセット・ファイナンス元年になる!というのが持論です。

<アセット・ファイアンス>
アセット・ファイナンスの理解を共通化するために、このブログでいうアセット・ファイナンスの意味をおさらいしておきます。

アセット・ファイナンスの対義語はコーポレート・ファイナンスです。少なくても、このブログでは、そういう意味で使っています。

コーポレート・ファイナンスとは、日本語に訳すと「企業金融」です。既にお話している通り、企業の信用力で資金を調達する方法のことです。銀行借入、社債の発行、株式の発行などがそうです。

もっとも、銀行借入、社債の発行、株式の発行でも、資金を調達する企業の信用力に頼らない資金調達方法は、ここでは、アセット・ファイアンスに分類します。

ここまで、大丈夫でしょうか。

アセット・ファイナンスに携わっている方なら、ここまでの説明で、このブログでは、どういう意味でアセット・ファイナンスという言葉を使っているかわかったという方も多いと思います。

でも、このブログは、銀行、証券会社、リース会社、ファクタリング会社などとかかわりがない方や、
かかわりはあるんだけれども、金融商品取引法の実務がよくわからないという方に理解していただくために書いています。ですから、次回以降も、アセット・ファイナンスとコーポレート・ファイナンスの関係について、詳しくお話します。

テーマ : 金融商品取引法
ジャンル : ファイナンス

コメント

非公開コメント

プロフィール

川崎善徳

Author:川崎善徳

<ブログの紹介>
金融商品取引法の体系としては、「金融商品取引法」、「金融商品取引法施行令」の他に、「定義府令」、「企業内容開示府令」、「特定有価証券開示府令」、「証券情報提供府令」、「金商業等府令」、「取引等規制府令」、「開示ガイドライン」などがあります。つまり、膨大だということです。

ただし、金融商品取引法が対象としているものは、2つしかありません。「有価証券」と「デリバティブ取引」です。これ以外のことを金融商品取引法は対象にしていません。また、金融商品取引法の規制には、3つの種類しかありません。「開示規制」、「業者規制(行為規制)」、「不公正取引規制」です。先に挙げた内閣府令はすべて(例外なく)、この3つのいずれかに関連しています。

開示規制は、上場会社や公募債発行の経験あるいは予定のある会社に関わる規制です。業者規制は、金融商品取引業者はもちろん、自主規制機関にも関わる規制です。不公正取引規制は、すべての人(個人・法人、居住者・非居住者を問わない)に関わる規制です。このため、膨大かつ難関な法律とされています。

このブログは、膨大かつ難解な金融商品取引法を、実務経験と知識に基づき、実務に役立つように、やさしく解説している、金融商品取引法の実務に関する日本初の、情報量で国内最大のブログです。

<プロフィール>
川崎善徳。1988年、慶應義塾大学文学部卒業、住友信託銀行に入社。1992年から証券業務のコンプライアンスを担当。1999年、転職し、アセットマネジメント会社や銀行のコンプライアンス部門を経て、BNPパリバ証券コンプライアンス部長、新生証券取締役コンプライアンス部長を歴任。2004年、行政書士登録。JSL行政書士事務所代表。

JSL行政書士事務所は、200社以上の金融商品取引業者との取引経験に基づき、金融商品取引業者の監査とコンサルティングを実施するコンサルティング・オフィス。また、金融商品取引業者のM&Aのアドバイザー、社内研修の講師、セミナーの講師も行っている。顧問契約を締結している金融商品取引業者は、証券会社(一種業者)、不動産信託受益権販売業者(二種業者)、事業型ファンド販売会社(二種業者)、不動産信託受益に関する助言業者(助言業者)、株券に関する助言業者(助言業者)、不動産AM(運用業者)他と多様な業種に及ぶ。

著書・雑誌:「金融商品取引法の基本がよくわかる本」(中経出版)、「金融商品取引法対応マニュアル」(住宅新報社)、「プレジデント」(取材)、「週刊金融財政事情」(取材)他

社内研修:東証一部上場会社、ジャスダック上場会社、上場会社の子会社、独立系企業、外資系企業と多岐にわたる金融商品取引業者の依頼に応じて日本全国で役員研修・社員研修を実施

セミナー講師:「投資助言業者のための検査対策」(金融財務研究会)、「第二種金融商品取引業者のための検査対策」(金融財務研究会、金融ファクシミリ新聞)、「第二種金融商品取引業者のための効果的な内部監査」(金融ファクシミリ新聞)

メールマガジン:、読者数国内最多の金融商品取引法専門メールマガジンを金融商品取引業者と金融当局に配信中

JSL行政書士事務所代表
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-3-2 郵船ビルディング1階
電話:03-5533-8785
http://office-jsl.com/

<お問い合わせ>
お問い合わせは、お問い合わせフォームで受け付けます。

<主な業務>
主な業務は、主な業務をご覧ください。

ブログの内容は個人的見解ですので、正確性は保証いたしません。また、ブログの内容に関する質問を含め、質問には一切回答いたしかねますので、ご了承ください。

プライバシーポリシー

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
Translation
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード