第二種金融商品取引業の当局検査1


当局検査の試練を実際に経験した第二種金融商品取引業者の方の中には、当局検査の厳しさを目の当たりにし、「よく潰されなかった」とホッとされた方も多いはず。

一方、当局検査の経験がない第二種金融商品取引業者は「何とかなる」とたかをくくっているのが普通で、ひどいときには「うちは人数も少ないから来ない」と、何の根拠もなく信じている会社もあるでしょう。

私が直に証券取引等監視委員会の方とお話をした限り、第二種金融商品取引業者の検査担当者の数は、飛躍的に増えているということです。ですから、第二種金融商品取引業者の方は、証券取引等監視委員会は必ず来る、検査は「入る」という言い方が業界では通っていますので、必ず入ると思ってください。

今週は、第二種金融商品取引業者の検査の重点項目についてお話しします。

<検査忌避>
絶対にあってはならないのに、なぜかあるのが検査忌避です。

検査官は、ある日突然、朝9時から9時30分くらいの間に、数名で第二種金融商品取引業者の主たる事務所に現れます。

人数は、第二種金融商品取引業者の規模にもよります。私の知っている限り、少ないときには2人で来ることもあります。多くても6人だと考えておいて良いでしょう。

そこで第二種金融商品取引業者がするべきは、検査官を会議室に通すことです。「会議室がない」というのでは、困ったことになります。金融商品取引業者は検査のために、会議室を用意しておくのが常識です。

「検査のために事業をしているじゃない!」という方もいらっしゃるかもしれません。実際にいました。でも、そんな発言をしていられるのは、検査が入る前まで。検査が入ったら、会議室の重要性がわかります。

ここで「社長がいないので帰ってくれ」とか「今、決算で忙しいので3か月後に来てくれ」と言って返してはダメです。社長が不在だろうと、決算で忙しかろうと、検査を受ける義務が免れるわけではありません。

何度も言いますが、金融商品取引業者の登録を受けるということは、無条件に当局検査を受けることに同意したと同じ意味です。大げさなことをいっているように聞こえるかもしれませんが、本当に「無条件」です。

検査官を返すなどして、スタートでつまずかないこと。検査忌避は、懲役刑にあたる重罪ですから、第二種金融商品取引業者の方は、ここをしっかり理解することが重要です。

テーマ : 金融商品取引法
ジャンル : ファイナンス

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川崎善徳

Author:川崎善徳

<ブログの紹介>
金融商品取引法の体系としては、「金融商品取引法」、「金融商品取引法施行令」の他に、「定義府令」、「企業内容開示府令」、「特定有価証券開示府令」、「証券情報提供府令」、「金商業等府令」、「取引等規制府令」、「開示ガイドライン」などがあります。つまり、膨大だということです。

ただし、金融商品取引法が対象としているものは、2つしかありません。「有価証券」と「デリバティブ取引」です。これ以外のことを金融商品取引法は対象にしていません。また、金融商品取引法の規制には、3つの種類しかありません。「開示規制」、「業者規制(行為規制)」、「不公正取引規制」です。先に挙げた内閣府令はすべて(例外なく)、この3つのいずれかに関連しています。

開示規制は、上場会社や公募債発行の経験あるいは予定のある会社に関わる規制です。業者規制は、金融商品取引業者はもちろん、自主規制機関にも関わる規制です。不公正取引規制は、すべての人(個人・法人、居住者・非居住者を問わない)に関わる規制です。このため、膨大かつ難関な法律とされています。

このブログは、膨大かつ難解な金融商品取引法を、実務経験と知識に基づき、実務に役立つように、やさしく解説している、金融商品取引法の実務に関する日本初の、情報量で国内最大のブログです。

<プロフィール>
川崎善徳。1988年、慶應義塾大学文学部卒業、住友信託銀行に入社。1992年から証券業務のコンプライアンスを担当。1999年、転職し、アセットマネジメント会社や銀行のコンプライアンス部門を経て、BNPパリバ証券コンプライアンス部長、新生証券取締役コンプライアンス部長を歴任。2004年、行政書士登録。JSL行政書士事務所代表。

JSL行政書士事務所は、200社以上の金融商品取引業者との取引経験に基づき、金融商品取引業者の監査とコンサルティングを実施するコンサルティング・オフィス。また、金融商品取引業者のM&Aのアドバイザー、社内研修の講師、セミナーの講師も行っている。顧問契約を締結している金融商品取引業者は、証券会社(一種業者)、不動産信託受益権販売業者(二種業者)、事業型ファンド販売会社(二種業者)、不動産信託受益に関する助言業者(助言業者)、株券に関する助言業者(助言業者)、不動産AM(運用業者)他と多様な業種に及ぶ。

著書・雑誌:「金融商品取引法の基本がよくわかる本」(中経出版)、「金融商品取引法対応マニュアル」(住宅新報社)、「プレジデント」(取材)、「週刊金融財政事情」(取材)他

社内研修:東証一部上場会社、ジャスダック上場会社、上場会社の子会社、独立系企業、外資系企業と多岐にわたる金融商品取引業者の依頼に応じて日本全国で役員研修・社員研修を実施

セミナー講師:「投資助言業者のための検査対策」(金融財務研究会)、「第二種金融商品取引業者のための検査対策」(金融財務研究会、金融ファクシミリ新聞)、「第二種金融商品取引業者のための効果的な内部監査」(金融ファクシミリ新聞)

メールマガジン:、読者数国内最多の金融商品取引法専門メールマガジンを金融商品取引業者と金融当局に配信中

JSL行政書士事務所代表
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-3-2 郵船ビルディング1階
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