基本を学ぼう2


<金融商品取引法の基本構造>
他の追随を許さない程度に膨大な金融商品取引法(金商法)関連法令・諸規則。これを全部、条文ごとに記憶することは不可能に近いです。少なくても私にはできません。では、そんな私でも、ほとんどの条文を覚えているのはどうしてでしょうか。

理由は、金商法の基本構造を知っているからです。

<対象取引>
まず、金商法が対象にしている取引は、実は、2つしかありません。一つは、有価証券取引、もう一つはデリバティブ取引です。

これ以外はありません。

だから、どの条文(どの辺りにある条文)は、有価証券取引のための条文か、デリバティブ取引の条文か、どっちだ?と考えながら条文を読むと、条文を読んだだけで、記憶に残りやすくなります。

例えば、金商法には「金融商品」という単語が定義されています。何号にも分かれていますので、暗記は大変。しかも、金融商品は、金商法のここかしこに登場します。だからといって「金融商品とは何か?」を一生懸命記憶するのではすぐに忘れてしまいます。

そこで、金融商品とは有価証券取引に関係するのか、デリバティブ取引に関連があるのかを考えます。

正解は、デリバティブ取引に関連しています。

金融商品とはデリバティブ取引の対象となる商品(指標)を指します。条文では、「有価証券」とか「通貨」とか、いろいろ書いてありますので、記憶しようとするとうんざりです。

「金融商品とはデリバティブ取引の対象となる商品(指標)なんだ」ということだけ記憶しておけば、デリバティブ取引の類型を思い出して、金融商品とは、有価証券デリバティブ取引の対象である「有価証券」や、金利デリバティブ取引の対象である「金利」や、為替デリバティブ取引の「為替(通貨)」などの意味だと分かりますので、条文(各号)を一つ一つ暗記する必要はないのです。

デリバティブ取引とはどのような取引かについては、別の機会に説明します。

<キーワード>
次に、膨大な金商法ですが、実は、3つのことしか定めていないのです。すべての条文が次の3つのいずれかのためにあります。

1. 開示規制

2. 業者の行為規制

3. 不公正取引規制

次回は、それぞれの意味と、存在意義、つまり、目的をやさしく解説します。

テーマ : 金融商品取引法
ジャンル : ファイナンス

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川崎善徳

Author:川崎善徳

<ブログの紹介>
金融商品取引法の体系としては、「金融商品取引法」、「金融商品取引法施行令」の他に、「定義府令」、「企業内容開示府令」、「特定有価証券開示府令」、「証券情報提供府令」、「金商業等府令」、「取引等規制府令」、「開示ガイドライン」などがあります。つまり、膨大だということです。

ただし、金融商品取引法が対象としているものは、2つしかありません。「有価証券」と「デリバティブ取引」です。これ以外のことを金融商品取引法は対象にしていません。また、金融商品取引法の規制には、3つの種類しかありません。「開示規制」、「業者規制(行為規制)」、「不公正取引規制」です。先に挙げた内閣府令はすべて(例外なく)、この3つのいずれかに関連しています。

開示規制は、上場会社や公募債発行の経験あるいは予定のある会社に関わる規制です。業者規制は、金融商品取引業者はもちろん、自主規制機関にも関わる規制です。不公正取引規制は、すべての人(個人・法人、居住者・非居住者を問わない)に関わる規制です。このため、膨大かつ難関な法律とされています。

このブログは、膨大かつ難解な金融商品取引法を、実務経験と知識に基づき、実務に役立つように、やさしく解説している、金融商品取引法の実務に関する日本初の、情報量で国内最大のブログです。

<プロフィール>
川崎善徳。1988年、慶應義塾大学文学部卒業、住友信託銀行に入社。1992年から証券業務のコンプライアンスを担当。1999年、転職し、アセットマネジメント会社や銀行のコンプライアンス部門を経て、BNPパリバ証券コンプライアンス部長、新生証券取締役コンプライアンス部長を歴任。2004年、行政書士登録。現在、JSL行政書士事務所代表。多数の金融商品取引業者の顧問に就任。

JSL行政書士事務所は、100社以上の金融商品取引業者との取引経験に基づき、金融商品取引業者の監査とコンサルティングを実施するコンサルティング・オフィス。また、金融商品取引業者のM&Aのアドバイザー、社内研修の講師、セミナーの講師も行っている。顧問契約を締結している金融商品取引業者は、証券会社(一種業者)、不動産信託受益権販売業者(二種業者)、事業型ファンド販売会社(二種業者)、不動産信託受益に関する助言業者(助言業者)、株券に関する助言業者(助言業者)、不動産AM(運用業者)他と多様な業種に及ぶ。

著書・雑誌:「金融商品取引法の基本がよくわかる本」(中経出版)、「金融商品取引法対応マニュアル」(住宅新報社)、「プレジデント」(取材)、「週刊金融財政事情」(取材)他

社内研修:東証一部上場会社、ジャスダック上場会社、上場会社の子会社、独立系企業、外資系企業と多岐にわたる金融商品取引業者の依頼に応じて日本全国で役員研修・社員研修を実施

セミナー講師:「投資助言業者のための検査対策」(金融財務研究会)、「第二種金融商品取引業者のための検査対策」(金融財務研究会、金融ファクシミリ新聞)、「第二種金融商品取引業者のための効果的な内部監査」(金融ファクシミリ新聞)

メールマガジン:、読者数国内最多の金融商品取引法専門メールマガジンを金融商品取引業者と金融当局に配信中

JSL行政書士事務所代表
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-3-2 郵船ビルディング1階
電話:03-5533-8785
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