基本を学ぼう4


<行為規制>
金融商品取引業者等が、業務を公正に行うために定められている規制を「行為規制」といいます。行為規制は、金融商品取引業者等にとって、日常業務に最もかかわりが深い規制です。

行為規制は、金融商品取引業者等の行為に対する規制です。行為規制は、また、証券取引所にも適用されます。従って、行為規制は、結局、「市場の仲介者」に適用されるルールを定めているということになります。

どうして、金融商品取引法は、金融商品取引業者等に行為規制を課しているのでしょうか。

行為規制には大きく分けると2つの規制があります。

<販売活動に対する規制>
一つは、金融商品取引業者等の「販売活動」に対する規制です。

例えば、行為規制の一つに適合性の原則という規定があります。金融商品取引業者等は、顧客の知識、経験、財産、投資目的に適合した取引以外の取引を勧誘してはならないというルールです。

適合性の原則は、まさに、販売活動に対する規制です。販売活動の限界を画しているからです。

契約締結前交付書面の交付も、行為規制の一つです。金融商品取引業者等は、一般投資家と取引をする(契約をする)際には、取引をする前に(契約締結前に)、取引に伴うリスクや取引に係る手数料といった情報を記載した書面を、顧客に交付しなければならないというルールです。

契約締結前交付書面の交付も、まさに、販売活動に関する規制ですよね。

適合性の原則も契約締結前交付書面の交付も、結局、顧客が、適切な投資、ムリのない投資を行えるようにするためにある規制です。逆からいうと、販売活動に関する行為規制の機能は、金融商品取引業者等がムリな営業をしないようにストップをかける機能があるということです。

<トレーディング活動に対する規制>
もう一つの行為規制は、金融商品取引業者等のトレーディング活動に対する規制です。トレーディングとは、金融商品取引業者が自己の計算で(顧客のお金ではなく会社のお金での意味)有価証券の売買やデリバティブ取引を行うことです。

例えば、金商法は、金融商品取引業者等が、株価を操作することを禁止していますが、これは、金融商品取引業者等のトレーディング活動に対する行為規制です。

つまり、トレーディング活動に関する行為規制の機能は、金融商品取引業者等がムリな取引をしないようにストップをかける機能があるということです。

<開示規制の機能>
以上から、行為規制の機能は、金融商品取引業者等のあらゆる事業活動に一定の制限を課す機能があることがわかります。

テーマ : 金融商品取引法
ジャンル : ファイナンス

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プロフィール

川崎善徳

Author:川崎善徳

<ブログの紹介>
金融商品取引法の体系としては、「金融商品取引法」、「金融商品取引法施行令」の他に、「定義府令」、「企業内容開示府令」、「特定有価証券開示府令」、「証券情報提供府令」、「金商業等府令」、「取引等規制府令」、「開示ガイドライン」などがあります。つまり、膨大だということです。

ただし、金融商品取引法が対象としているものは、2つしかありません。「有価証券」と「デリバティブ取引」です。これ以外のことを金融商品取引法は対象にしていません。また、金融商品取引法の規制には、3つの種類しかありません。「開示規制」、「業者規制(行為規制)」、「不公正取引規制」です。先に挙げた内閣府令はすべて(例外なく)、この3つのいずれかに関連しています。

開示規制は、上場会社や公募債発行の経験あるいは予定のある会社に関わる規制です。業者規制は、金融商品取引業者はもちろん、自主規制機関にも関わる規制です。不公正取引規制は、すべての人(個人・法人、居住者・非居住者を問わない)に関わる規制です。このため、膨大かつ難関な法律とされています。

このブログは、膨大かつ難解な金融商品取引法を、実務経験と知識に基づき、実務に役立つように、やさしく解説している、金融商品取引法の実務に関する日本初の、情報量で国内最大のブログです。

<プロフィール>
川崎善徳。1988年、慶應義塾大学文学部卒業、住友信託銀行に入社。1992年から証券業務のコンプライアンスを担当。1999年、転職し、アセットマネジメント会社や銀行のコンプライアンス部門を経て、BNPパリバ証券コンプライアンス部長、新生証券取締役コンプライアンス部長を歴任。2004年、行政書士登録。JSL行政書士事務所代表。

JSL行政書士事務所は、200社以上の金融商品取引業者との取引経験に基づき、金融商品取引業者の監査とコンサルティングを実施するコンサルティング・オフィス。また、金融商品取引業者のM&Aのアドバイザー、社内研修の講師、セミナーの講師も行っている。顧問契約を締結している金融商品取引業者は、証券会社(一種業者)、不動産信託受益権販売業者(二種業者)、事業型ファンド販売会社(二種業者)、不動産信託受益に関する助言業者(助言業者)、株券に関する助言業者(助言業者)、不動産AM(運用業者)他と多様な業種に及ぶ。

著書・雑誌:「金融商品取引法の基本がよくわかる本」(中経出版)、「金融商品取引法対応マニュアル」(住宅新報社)、「プレジデント」(取材)、「週刊金融財政事情」(取材)他

社内研修:東証一部上場会社、ジャスダック上場会社、上場会社の子会社、独立系企業、外資系企業と多岐にわたる金融商品取引業者の依頼に応じて日本全国で役員研修・社員研修を実施

セミナー講師:「投資助言業者のための検査対策」(金融財務研究会)、「第二種金融商品取引業者のための検査対策」(金融財務研究会、金融ファクシミリ新聞)、「第二種金融商品取引業者のための効果的な内部監査」(金融ファクシミリ新聞)

メールマガジン:、読者数国内最多の金融商品取引法専門メールマガジンを金融商品取引業者と金融当局に配信中

JSL行政書士事務所代表
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-3-2 郵船ビルディング1階
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