ファンド1


適格機関投資家等特例業務に注目が集まっています。それもそのはず。金融商品取引業者の数が2000社程度であるのに対し、特例業務届出者の数は、倍の4000社なんですから。

「だって、特例業務届出者になるのは簡単なんだもん」

金融商品取引法施行当時は、誰もがそう思っていました。実際、財務局も届出書類をさっと見るだけで、届出書を受理していました。

詳しくは、これから見ていきますが、特例業務届出者、いわゆるファンドと呼ばれている者が行う業務は、第二種金融商品取引業と投資運用業です。事業を開始するために、登録手続きが不要で届出のみで開始できるというだけで、金融商品取引業であることには変わりはないのです。

第二種金融商品取引業の登録を受けていている者に対する当局検査が厳しさを増しているということは、当然のことながら、同様に第二種金融商品取引業を行っているファンドに対する当局検査も厳しくなるわけです。

当局検査が厳しくなるということは、財務局もファンドの届出を簡単には受理しないことを意味します。なぜなら、検査が厳しくなり、実際に抹消を命じられているファンドも出てきている中、

「抹消処分も必要なファンドの届出を受理したのか!」

と財務局の担当者が叱られるからです。

「ちょっと、それはおかしいんじゃないの、だって届出でだよ、届出」

金融商品取引法の「不思議」をここでコメントしておきます。

金融商品取引法で「登録」といった場合は、実質「承認(許可)」を意味します。金融商品取引法で「届出」といった場合は、実質「認可」を意味します。

つまり、金融商品取引法で「登録」や「届出」で事業を開始できるかどうかは、行政(当局)の裁量が働くということです。

「行政法上、そんな馬鹿なことがあるわけない!」

私は、証券行政にかかわる仕事を始めて四半世紀が経ちます。その私がいうのですから、間違いありません。

金融商品取引法で登録だ届出だといっても、結局は行政裁量にゆだねられる。

この「不思議」は証券会社にとっては常識ですが、証券取引法からではなく、金融商品取引法が施行されてから金融商品取引業を始められた方は、まず、この「不思議」を頭ではなく感覚で覚えなければなりません。

テーマ : 金融商品取引法
ジャンル : ファイナンス

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川崎善徳

Author:川崎善徳

<ブログの紹介>
金融商品取引法の体系としては、「金融商品取引法」、「金融商品取引法施行令」の他に、「定義府令」、「企業内容開示府令」、「特定有価証券開示府令」、「証券情報提供府令」、「金商業等府令」、「取引等規制府令」、「開示ガイドライン」などがあります。つまり、膨大だということです。

ただし、金融商品取引法が対象としているものは、2つしかありません。「有価証券」と「デリバティブ取引」です。これ以外のことを金融商品取引法は対象にしていません。また、金融商品取引法の規制には、3つの種類しかありません。「開示規制」、「業者規制(行為規制)」、「不公正取引規制」です。先に挙げた内閣府令はすべて(例外なく)、この3つのいずれかに関連しています。

開示規制は、上場会社や公募債発行の経験あるいは予定のある会社に関わる規制です。業者規制は、金融商品取引業者はもちろん、自主規制機関にも関わる規制です。不公正取引規制は、すべての人(個人・法人、居住者・非居住者を問わない)に関わる規制です。このため、膨大かつ難関な法律とされています。

このブログは、膨大かつ難解な金融商品取引法を、実務経験と知識に基づき、実務に役立つように、やさしく解説している、金融商品取引法の実務に関する日本初の、情報量で国内最大のブログです。

<プロフィール>
川崎善徳。1988年、慶應義塾大学文学部卒業、住友信託銀行に入社。1992年から証券業務のコンプライアンスを担当。1999年、転職し、アセットマネジメント会社や銀行のコンプライアンス部門を経て、BNPパリバ証券コンプライアンス部長、新生証券取締役コンプライアンス部長を歴任。2004年、行政書士登録。JSL行政書士事務所代表。

JSL行政書士事務所は、200社以上の金融商品取引業者との取引経験に基づき、金融商品取引業者の監査とコンサルティングを実施するコンサルティング・オフィス。また、金融商品取引業者のM&Aのアドバイザー、社内研修の講師、セミナーの講師も行っている。顧問契約を締結している金融商品取引業者は、証券会社(一種業者)、不動産信託受益権販売業者(二種業者)、事業型ファンド販売会社(二種業者)、不動産信託受益に関する助言業者(助言業者)、株券に関する助言業者(助言業者)、不動産AM(運用業者)他と多様な業種に及ぶ。

著書・雑誌:「金融商品取引法の基本がよくわかる本」(中経出版)、「金融商品取引法対応マニュアル」(住宅新報社)、「プレジデント」(取材)、「週刊金融財政事情」(取材)他

社内研修:東証一部上場会社、ジャスダック上場会社、上場会社の子会社、独立系企業、外資系企業と多岐にわたる金融商品取引業者の依頼に応じて日本全国で役員研修・社員研修を実施

セミナー講師:「投資助言業者のための検査対策」(金融財務研究会)、「第二種金融商品取引業者のための検査対策」(金融財務研究会、金融ファクシミリ新聞)、「第二種金融商品取引業者のための効果的な内部監査」(金融ファクシミリ新聞)

メールマガジン:、読者数国内最多の金融商品取引法専門メールマガジンを金融商品取引業者と金融当局に配信中

JSL行政書士事務所代表
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-3-2 郵船ビルディング1階
電話:03-5533-8785
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