ファンド4


適格機関投資家等の「等」は、一般投資家と呼ばれます。適格機関投資家以外の者と定義されています。

<一般投資家>
一般投資家の数は49名以下です。一般投資家について問題になるのは、49名の数え方です。勧誘の相手方が49名以下なのか、取得する者が49名以下なのかの問題です。一部の法律事務所が「勧誘ベース」とアドバイスしていると複数の方から伺ったので、明確にしておきます。

「2項有価証券だから取得ベース」
「パブリックコメントに書いてあるから取得ベース」

いずれの理由でもいいですが、条文に書いてありますから、条文通り、「取得ベース」です。

すなわち、一般投資家の数のカウントは、6か月通算といって、過去6ヶ月間の人数を通算して49名以下でなければなりませんが、条文に「取得勧誘に応じて取得する一般投資家」と「取得する一般投資家」をカウントせよ、と書いてありますので、取得ベースです。

<業務執行者のみが適格機関投資家の場合>
ファンドの業務執行組合員のみが適格機関投資家だった場合はどうでしょうか。

「適格機関投資家等特例業務は、組合契約等において、組合員等の数が、適格機関投資家が1名以上、一般投資家が49名以下であることだから、ファンドの業務執行組合員(GP)が適格機関投資家なら、何も他の適格機関投資家に出資させなくても良いのでは」

当然、生まれる疑問です。

これはダメです。なぜなら、適格機関投資家等特例業務となり得るためには、適格機関投資家等に対する自己私募が必要と条文にあるからです。私募である以上、勧誘行為(及び結果としての取得)がなければカウントできないわけです。

<転売制限>
せっかく適格機関投資家に持分を取得させても、取得した適格機関投資家が一般投資家に転売してしまっては、適格機関投資家に取得させた意味がありません。

また、49名以下の一般投資家が、出資持分を分割して転売できるとしたら、50名以上になってしまう可能性があります。

以上のようなことがないように、ファンドに関する契約の中で、ファンドの出資者のうち、適格機関投資家は適格機関投資家にしか転売できないこと、一般投資家は分割して転売できないことが明示されていることが必要とされています。

テーマ : 金融商品取引法
ジャンル : ファイナンス

コメント

非公開コメント

プロフィール

川崎善徳

Author:川崎善徳

<ブログの紹介>
金融商品取引法の体系としては、「金融商品取引法」、「金融商品取引法施行令」の他に、「定義府令」、「企業内容開示府令」、「特定有価証券開示府令」、「証券情報提供府令」、「金商業等府令」、「取引等規制府令」、「開示ガイドライン」などがあります。つまり、膨大だということです。

ただし、金融商品取引法が対象としているものは、2つしかありません。「有価証券」と「デリバティブ取引」です。これ以外のことを金融商品取引法は対象にしていません。また、金融商品取引法の規制には、3つの種類しかありません。「開示規制」、「業者規制(行為規制)」、「不公正取引規制」です。先に挙げた内閣府令はすべて(例外なく)、この3つのいずれかに関連しています。

開示規制は、上場会社や公募債発行の経験あるいは予定のある会社に関わる規制です。業者規制は、金融商品取引業者はもちろん、自主規制機関にも関わる規制です。不公正取引規制は、すべての人(個人・法人、居住者・非居住者を問わない)に関わる規制です。このため、膨大かつ難関な法律とされています。

このブログは、膨大かつ難解な金融商品取引法を、実務経験と知識に基づき、実務に役立つように、やさしく解説している、金融商品取引法の実務に関する日本初の、情報量で国内最大のブログです。

<プロフィール>
川崎善徳。1988年、慶應義塾大学文学部卒業、住友信託銀行に入社。1992年から証券業務のコンプライアンスを担当。1999年、転職し、アセットマネジメント会社や銀行のコンプライアンス部門を経て、BNPパリバ証券コンプライアンス部長、新生証券取締役コンプライアンス部長を歴任。2004年、行政書士登録。現在、JSL行政書士事務所代表。コンプライアンス・リスク管理コンサルタントとして、上場会社、が外資系企業など多数の金融商品取引業者の顧問に就任。

JSL行政書士事務所は、100社以上の金融商品取引業者との取引経験に基づき、金融商品取引業者の監査とコンサルティングを実施するコンサルティング・オフィス。また、金融商品取引業者のM&Aのアドバイザー、社内研修の講師、セミナーの講師も行っている。顧問契約を締結している金融商品取引業者は、証券会社(一種業者)、不動産信託受益権販売業者(二種業者)、事業型ファンド販売会社(二種業者)、不動産信託受益に関する助言業者(助言業者)、株券に関する助言業者(助言業者)、不動産AM(運用業者)他と多様な業種に及ぶ。

著書・雑誌:「金融商品取引法の基本がよくわかる本」(中経出版)、「金融商品取引法対応マニュアル」(住宅新報社)、「プレジデント」(取材)、「週刊金融財政事情」(取材)他

社内研修:東証一部上場会社、ジャスダック上場会社、上場会社の子会社、独立系企業、外資系企業と多岐にわたる金融商品取引業者の依頼に応じて日本全国で役員研修・社員研修を実施

セミナー講師:「投資助言業者のための検査対策」(金融財務研究会)、「第二種金融商品取引業者のための検査対策」(金融財務研究会、金融ファクシミリ新聞)、「第二種金融商品取引業者のための効果的な内部監査」(金融ファクシミリ新聞)

メールマガジン:、読者数国内最多の金融商品取引法専門メールマガジンを金融商品取引業者と金融当局に配信中

JSL行政書士事務所
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-3-2 郵船ビルディング1階
電話:03-5533-8785
http://office-jsl.com/

<お問い合わせ>
お問い合わせは、お問い合わせフォームで受け付けます。

<主な業務>
主な業務は、主な業務をご覧ください。

ブログの内容は個人的見解ですので、正確性は保証いたしません。また、ブログの内容に関する質問を含め、質問には一切回答いたしかねますので、ご了承ください。

プライバシーポリシー

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
Translation
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード