投資助言代理業者の検査1


投資助言・代理業の登録要件が厳しくなっています。特に、コンプライアンスの責任者は、証券会社でコンプライアンス担当者の経験が豊富である者などでなければ、登録が困難な状況になっています。

このような中、投資助言・代理業を行う者、投資助言代理業者に対する証券取引等監視委員会の検査も厳しさを増しています。

どのような行為が、証券取引等監視委員会によって違法と指摘されているか、具体的に見ていきましょう。

<広告規制>
広告規制は、金融商品取引業者等が行う広告のルールを定めた規制です。本来、広告規制の目的は、広告の段階で、金融商品取引業者等が取引の危険などを投資家に知らしめることによって、投資家を不測の損害から免れされるために設けられたものです。

一方、広告規制には「誇大広告の禁止」という規制があります。誇大広告の禁止は、念のための規制と考えられていました。金融商品取引業者等の中に、誇大広告を行う者などいないと考えられていたためです。

ところが、ふたを開けてみると、投資助言代理業者の誇大広告が後を絶ちません。予想外の展開です。

具体的には次のような誇大広告です。

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当社は、投資顧問契約の助言内容の優位性について信憑性を与えるため、顧客として「A氏」の顔写真を掲載した上で、取引履歴画像を添付して、「目標金額の100,000円を達成!」と、「A氏」が実際に取引を行い、あたかも当該顧客が優れた成果を収めたかのようなコメントを表示していた。しかしながら、「A氏」については、実在する顧客ではないほか、取引履歴画像についても架空のものであった。
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要するに、架空のA氏をでっち上げ、助言通りに投資をしたら、利益を上げたという広告を出したということです。

言語道断。

こんなウソを堂々とつく背景には、実績(ウソですが)を表示して投資家(会員)を集めたいという思惑がありますが、「他社もやっている」という一部の投資助言代理業者の開き直りの姿勢もあるようです。

これでは、真面目に取り組んでいる多くの投資助言代理業者は浮かばれません。

誇大広告の事例は他にも多数ありますが、今日はここまで。続きは明日以降お話します。

テーマ : 金融商品取引法
ジャンル : ファイナンス

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川崎善徳

Author:川崎善徳

<ブログの紹介>
金融商品取引法の体系としては、「金融商品取引法」、「金融商品取引法施行令」の他に、「定義府令」、「企業内容開示府令」、「特定有価証券開示府令」、「証券情報提供府令」、「金商業等府令」、「取引等規制府令」、「開示ガイドライン」などがあります。つまり、膨大だということです。

ただし、金融商品取引法が対象としているものは、2つしかありません。「有価証券」と「デリバティブ取引」です。これ以外のことを金融商品取引法は対象にしていません。また、金融商品取引法の規制には、3つの種類しかありません。「開示規制」、「業者規制(行為規制)」、「不公正取引規制」です。先に挙げた内閣府令はすべて(例外なく)、この3つのいずれかに関連しています。

開示規制は、上場会社や公募債発行の経験あるいは予定のある会社に関わる規制です。業者規制は、金融商品取引業者はもちろん、自主規制機関にも関わる規制です。不公正取引規制は、すべての人(個人・法人、居住者・非居住者を問わない)に関わる規制です。このため、膨大かつ難関な法律とされています。

このブログは、膨大かつ難解な金融商品取引法を、実務経験と知識に基づき、実務に役立つように、やさしく解説している、金融商品取引法の実務に関する日本初の、情報量で国内最大のブログです。

<プロフィール>
川崎善徳。1988年、慶應義塾大学文学部卒業、住友信託銀行に入社。1992年から証券業務のコンプライアンスを担当。1999年、転職し、アセットマネジメント会社や銀行のコンプライアンス部門を経て、BNPパリバ証券コンプライアンス部長、新生証券取締役コンプライアンス部長を歴任。2004年、行政書士登録。JSL行政書士事務所代表。

JSL行政書士事務所は、200社以上の金融商品取引業者との取引経験に基づき、金融商品取引業者の監査とコンサルティングを実施するコンサルティング・オフィス。また、金融商品取引業者のM&Aのアドバイザー、社内研修の講師、セミナーの講師も行っている。顧問契約を締結している金融商品取引業者は、証券会社(一種業者)、不動産信託受益権販売業者(二種業者)、事業型ファンド販売会社(二種業者)、不動産信託受益に関する助言業者(助言業者)、株券に関する助言業者(助言業者)、不動産AM(運用業者)他と多様な業種に及ぶ。

著書・雑誌:「金融商品取引法の基本がよくわかる本」(中経出版)、「金融商品取引法対応マニュアル」(住宅新報社)、「プレジデント」(取材)、「週刊金融財政事情」(取材)他

社内研修:東証一部上場会社、ジャスダック上場会社、上場会社の子会社、独立系企業、外資系企業と多岐にわたる金融商品取引業者の依頼に応じて日本全国で役員研修・社員研修を実施

セミナー講師:「投資助言業者のための検査対策」(金融財務研究会)、「第二種金融商品取引業者のための検査対策」(金融財務研究会、金融ファクシミリ新聞)、「第二種金融商品取引業者のための効果的な内部監査」(金融ファクシミリ新聞)

メールマガジン:、読者数国内最多の金融商品取引法専門メールマガジンを金融商品取引業者と金融当局に配信中

JSL行政書士事務所代表
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-3-2 郵船ビルディング1階
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