投資助言代理業者の検査2


前回に引き続き、誇大広告の事例を見てみましょう。

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当社は、ホームページに「会員様の声」として「運用実績」等を紹介しており、当社と投資顧問契約を締結した顧客が、当社の助言に基づき高い運用実績を達成したと受け取れる内容の広告を公開していた。しかしながら、そもそも当社には該当する顧客は存在せず、架空の運用実績等を作成し、事実に相違する広告を公開していた。
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架空の会員が取引(これも架空)をして、高い運用実績を達成したかのように、顧客を欺く誇大広告(正確には虚偽広告ですね)をしていた事例です。

この会社は、1か月の営業停止処分を受けています。

当たり前ですが、広告に虚偽(ウソ)を書いたり、広大広告をしたりすることは、禁止されています。「枚挙に暇がない」とはこのことというくらい、虚偽又は誇大広告は当局検査指摘事項の常連です。

こういう事例もあります。

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当社は、インターネット上に設けたバナー広告において、「発売以来、300人以上のクライアントに1,000万円以上の利益を生み出した投資手法」と掲載していた。しかしながら、当社では、助言により顧客が利益を得たか否かの状況を把握しておらず、また、300人以上の顧客において1,000万円以上の利益が発生した実績を証するものもなく、当社の投資助言業の実績について、著しく人を誤認させるような表示を行っていた。
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これは、少し微妙な事例です。誇大(虚偽)広告かどうか検査期間中にはわからなかったが、バナー広告の内容が本当であることが証明できなかったのだから誇大広告である、という指摘です。

以上から、検査実務において、誇大広告は、内容の正確性を証明できない広告を含むということがわかります。

誇大広告の禁止に抵触して営業停止や業務改善命令(いずれも会社名がホームページや新聞に掲載されます)を受けることがないようにするためには、「内容の正確性を証明できない情報は絶対に広告手段に掲載しない!」とすべきです。

なお、検査期間中に「他社もやっている!」と、他社の名前を挙げて訴えてもムダです。他社がやっていることは、自社がやっていたことの言い訳にならないからです。

テーマ : 金融商品取引法
ジャンル : ファイナンス

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川崎善徳

Author:川崎善徳

<ブログの紹介>
金融商品取引法の体系としては、「金融商品取引法」、「金融商品取引法施行令」の他に、「定義府令」、「企業内容開示府令」、「特定有価証券開示府令」、「証券情報提供府令」、「金商業等府令」、「取引等規制府令」、「開示ガイドライン」などがあります。つまり、膨大だということです。

ただし、金融商品取引法が対象としているものは、2つしかありません。「有価証券」と「デリバティブ取引」です。これ以外のことを金融商品取引法は対象にしていません。また、金融商品取引法の規制には、3つの種類しかありません。「開示規制」、「業者規制(行為規制)」、「不公正取引規制」です。先に挙げた内閣府令はすべて(例外なく)、この3つのいずれかに関連しています。

開示規制は、上場会社や公募債発行の経験あるいは予定のある会社に関わる規制です。業者規制は、金融商品取引業者はもちろん、自主規制機関にも関わる規制です。不公正取引規制は、すべての人(個人・法人、居住者・非居住者を問わない)に関わる規制です。このため、膨大かつ難関な法律とされています。

このブログは、膨大かつ難解な金融商品取引法を、実務経験と知識に基づき、実務に役立つように、やさしく解説している、金融商品取引法の実務に関する日本初の、情報量で国内最大のブログです。

<プロフィール>
川崎善徳。1988年、慶應義塾大学文学部卒業、住友信託銀行に入社。1992年から証券業務のコンプライアンスを担当。1999年、転職し、アセットマネジメント会社や銀行のコンプライアンス部門を経て、BNPパリバ証券コンプライアンス部長、新生証券取締役コンプライアンス部長を歴任。2004年、行政書士登録。JSL行政書士事務所代表。

JSL行政書士事務所は、200社以上の金融商品取引業者との取引経験に基づき、金融商品取引業者の監査とコンサルティングを実施するコンサルティング・オフィス。また、金融商品取引業者のM&Aのアドバイザー、社内研修の講師、セミナーの講師も行っている。顧問契約を締結している金融商品取引業者は、証券会社(一種業者)、不動産信託受益権販売業者(二種業者)、事業型ファンド販売会社(二種業者)、不動産信託受益に関する助言業者(助言業者)、株券に関する助言業者(助言業者)、不動産AM(運用業者)他と多様な業種に及ぶ。

著書・雑誌:「金融商品取引法の基本がよくわかる本」(中経出版)、「金融商品取引法対応マニュアル」(住宅新報社)、「プレジデント」(取材)、「週刊金融財政事情」(取材)他

社内研修:東証一部上場会社、ジャスダック上場会社、上場会社の子会社、独立系企業、外資系企業と多岐にわたる金融商品取引業者の依頼に応じて日本全国で役員研修・社員研修を実施

セミナー講師:「投資助言業者のための検査対策」(金融財務研究会)、「第二種金融商品取引業者のための検査対策」(金融財務研究会、金融ファクシミリ新聞)、「第二種金融商品取引業者のための効果的な内部監査」(金融ファクシミリ新聞)

メールマガジン:、読者数国内最多の金融商品取引法専門メールマガジンを金融商品取引業者と金融当局に配信中

JSL行政書士事務所代表
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-3-2 郵船ビルディング1階
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