投資助言代理業者の検査4


<広告審査規程>
前回、金融商品取引業者等は「広告審査規程」を設けなければならないと書きましたので、広告審査規程とは、どのような内容の社内規則かご紹介しておきます。なお、広告審査とは、広告等が法令の要求を満たしているかどうかをチェックする手続きのことです。

広告審査規程のポイントは、以下の3点です。
1. 広告を作成する際に留意すべき事項は何か
2. 広告審査を誰が行うか
3. 広告審査をどう行うか

1. 広告を作成する際に留意すべき事項は何か
広告等に表示すべき事項は、金融商品取引法37条1項、金融商品取引法施行令16条に規定されています。広告審査規程には、広告等を作成する者は、広告等に表示すべき事項をきちんと表示するように定めます。

2. 広告審査を誰が行うか
日本証券業協会の協会員でない限り、広告等の審査を行う者に制限はありません。ただ、広告等に何を表示すべきかについては法令に規定されていますから、コンプライアンスの担当者が広告等の審査を行うのが適当です。コンプライアンスの担当者でなければ、役員等が行う手続きも考えられます。

3. 広告審査をどう行うか
広告審査が確実に行なわれるようにするためには、漫然と「すべての広告等は、広告審査担当者の審査を受けなければならない」と規定するだけではダメです。流れ作業でチェックが行われるように、「広告審査チェックシート」を作成し、活用することをお勧めします。

<広告審査チェックシート>
広告審査チェックシートとはどのようなものかというと、広告等に表示すべき項目を一覧表にしたシートです。それぞれの項目の隣にチェックボックスをおいておきます。

広告等を作成した者は、作成した広告等と一緒に広告審査チェックシートを広告審査担当者に送ります。広告審査担当者は、送られた広告等に、法令で表示することが要求されている項目がすべて表示されているかどうかを、チェックボックスにチェックしながら確認するようにします。

こうすれば、広告審査で漏れが生じることを防止することができます。

以上、大丈夫でしょうか。他にもっと有効な広告審査手続きがあるかもしれません。いずれにしても、投資助言代理業者に限らず、すべての金融商品取引業者等は、投資家保護の観点から、「広告審査規程」を設け、広告審査に関する社内手続きを明確にすべきです。

テーマ : 金融商品取引法
ジャンル : ファイナンス

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プロフィール

川崎善徳

Author:川崎善徳

<ブログの紹介>
金融商品取引法の体系としては、「金融商品取引法」、「金融商品取引法施行令」の他に、「定義府令」、「企業内容開示府令」、「特定有価証券開示府令」、「証券情報提供府令」、「金商業等府令」、「取引等規制府令」、「開示ガイドライン」などがあります。つまり、膨大だということです。

ただし、金融商品取引法が対象としているものは、2つしかありません。「有価証券」と「デリバティブ取引」です。これ以外のことを金融商品取引法は対象にしていません。また、金融商品取引法の規制には、3つの種類しかありません。「開示規制」、「業者規制(行為規制)」、「不公正取引規制」です。先に挙げた内閣府令はすべて(例外なく)、この3つのいずれかに関連しています。

開示規制は、上場会社や公募債発行の経験あるいは予定のある会社に関わる規制です。業者規制は、金融商品取引業者はもちろん、自主規制機関にも関わる規制です。不公正取引規制は、すべての人(個人・法人、居住者・非居住者を問わない)に関わる規制です。このため、膨大かつ難関な法律とされています。

このブログは、膨大かつ難解な金融商品取引法を、実務経験と知識に基づき、実務に役立つように、やさしく解説している、金融商品取引法の実務に関する日本初の、情報量で国内最大のブログです。

<プロフィール>
川崎善徳。1988年、慶應義塾大学文学部卒業、住友信託銀行に入社。1992年から証券業務のコンプライアンスを担当。1999年、転職し、アセットマネジメント会社や銀行のコンプライアンス部門を経て、BNPパリバ証券コンプライアンス部長、新生証券取締役コンプライアンス部長を歴任。2004年、行政書士登録。JSL行政書士事務所代表。

JSL行政書士事務所は、200社以上の金融商品取引業者との取引経験に基づき、金融商品取引業者の監査とコンサルティングを実施するコンサルティング・オフィス。また、金融商品取引業者のM&Aのアドバイザー、社内研修の講師、セミナーの講師も行っている。顧問契約を締結している金融商品取引業者は、証券会社(一種業者)、不動産信託受益権販売業者(二種業者)、事業型ファンド販売会社(二種業者)、不動産信託受益に関する助言業者(助言業者)、株券に関する助言業者(助言業者)、不動産AM(運用業者)他と多様な業種に及ぶ。

著書・雑誌:「金融商品取引法の基本がよくわかる本」(中経出版)、「金融商品取引法対応マニュアル」(住宅新報社)、「プレジデント」(取材)、「週刊金融財政事情」(取材)他

社内研修:東証一部上場会社、ジャスダック上場会社、上場会社の子会社、独立系企業、外資系企業と多岐にわたる金融商品取引業者の依頼に応じて日本全国で役員研修・社員研修を実施

セミナー講師:「投資助言業者のための検査対策」(金融財務研究会)、「第二種金融商品取引業者のための検査対策」(金融財務研究会、金融ファクシミリ新聞)、「第二種金融商品取引業者のための効果的な内部監査」(金融ファクシミリ新聞)

メールマガジン:、読者数国内最多の金融商品取引法専門メールマガジンを金融商品取引業者と金融当局に配信中

JSL行政書士事務所代表
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-3-2 郵船ビルディング1階
電話:03-5533-8785
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