助言業者の人的構成要件


今年、投資助言・代理業の登録にも人的構成要件が要求されるようになりました。

よく尋ねられる質問は「法改正前に登録をしている業者にも、人的構成要件が求められるのか」です。

答えは、YESです。法改正前から投資助言・代理業(投資顧問業)を営んでいる業者の方々が「財務局に人的構成要件を満たすように求められた」といわれたという事例が散見されるからです。

つまり、法改正前から投資助言・代理業(投資顧問業)を行っている業者の方も、金融商品取引法に詳しいコンプライアンス担当者が必要だという意味です。

コンプライアンスに関する要請が厳しくなっている今、当然の結果かもしれません。問題は、金融商品取引法に詳しい者、具体的には、金融商品取引業者等でコンプライアンスを経験した者などが何人いるかです。

「金融商品取引法を専門とする事務所です」という行政書士のホームページをよく見かけますが、あれはダメです。そういう行政書士に聞いてみてください。「じゃあ、金融商品取引業者等でコンプライアンスを何年経験したか」と。「経験あり」と回答できる者は皆無に等しいです。

理想論としては、コンプライアンス経験者を採用することです。ただ、この方法の欠点は、何と言ってもコストが高いことです。

実務的な対応として、コンプライアンスの外部委託をするという方法があります。問題は、まともな弁護士、行政書士の中で、コンプライアンスの外部委託を受ける者は少ないということです。

現実的な対応としては、社内のコンプライアンス担当者を補佐する顧問を今すぐ雇うことでしょう。これなら、まともな弁護士や行政書士でも受けます。問題は、財務局から、顧問契約を締結した先の弁護士や行政書士の経歴書を求められる可能性があることです。どこが問題かというと、金融商品取引法に詳しい、あるいは経験豊富な弁護士の数は限定的ですし、行政書士にいたってはまずいないという点です。

法改正前から投資助言・代理業(投資顧問業)を営んでいる業者の方々も、今すぐ、理想、実務、現実のいずれかの方法を採用し、財務局とご相談されることをお勧めします。

テーマ : 金融商品取引法
ジャンル : ファイナンス

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川崎善徳

Author:川崎善徳

<ブログの紹介>
金融商品取引法の体系としては、「金融商品取引法」、「金融商品取引法施行令」の他に、「定義府令」、「企業内容開示府令」、「特定有価証券開示府令」、「証券情報提供府令」、「金商業等府令」、「取引等規制府令」、「開示ガイドライン」などがあります。つまり、膨大だということです。

ただし、金融商品取引法が対象としているものは、2つしかありません。「有価証券」と「デリバティブ取引」です。これ以外のことを金融商品取引法は対象にしていません。また、金融商品取引法の規制には、3つの種類しかありません。「開示規制」、「業者規制(行為規制)」、「不公正取引規制」です。先に挙げた内閣府令はすべて(例外なく)、この3つのいずれかに関連しています。

開示規制は、上場会社や公募債発行の経験あるいは予定のある会社に関わる規制です。業者規制は、金融商品取引業者はもちろん、自主規制機関にも関わる規制です。不公正取引規制は、すべての人(個人・法人、居住者・非居住者を問わない)に関わる規制です。このため、膨大かつ難関な法律とされています。

このブログは、膨大かつ難解な金融商品取引法を、実務経験と知識に基づき、実務に役立つように、やさしく解説している、金融商品取引法の実務に関する日本初の、情報量で国内最大のブログです。

<プロフィール>
川崎善徳。1988年、慶應義塾大学文学部卒業、住友信託銀行に入社。1992年から証券業務のコンプライアンスを担当。1999年、転職し、アセットマネジメント会社や銀行のコンプライアンス部門を経て、BNPパリバ証券コンプライアンス部長、新生証券取締役コンプライアンス部長を歴任。2004年、行政書士登録。JSL行政書士事務所代表。

JSL行政書士事務所は、200社以上の金融商品取引業者との取引経験に基づき、金融商品取引業者の監査とコンサルティングを実施するコンサルティング・オフィス。また、金融商品取引業者のM&Aのアドバイザー、社内研修の講師、セミナーの講師も行っている。顧問契約を締結している金融商品取引業者は、証券会社(一種業者)、不動産信託受益権販売業者(二種業者)、事業型ファンド販売会社(二種業者)、不動産信託受益に関する助言業者(助言業者)、株券に関する助言業者(助言業者)、不動産AM(運用業者)他と多様な業種に及ぶ。

著書・雑誌:「金融商品取引法の基本がよくわかる本」(中経出版)、「金融商品取引法対応マニュアル」(住宅新報社)、「プレジデント」(取材)、「週刊金融財政事情」(取材)他

社内研修:東証一部上場会社、ジャスダック上場会社、上場会社の子会社、独立系企業、外資系企業と多岐にわたる金融商品取引業者の依頼に応じて日本全国で役員研修・社員研修を実施

セミナー講師:「投資助言業者のための検査対策」(金融財務研究会)、「第二種金融商品取引業者のための検査対策」(金融財務研究会、金融ファクシミリ新聞)、「第二種金融商品取引業者のための効果的な内部監査」(金融ファクシミリ新聞)

メールマガジン:、読者数国内最多の金融商品取引法専門メールマガジンを金融商品取引業者と金融当局に配信中

JSL行政書士事務所代表
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-3-2 郵船ビルディング1階
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