広告規制1


正確な数字を調べたことはありませんが、感覚的に、投資助言・代理業者が証券取引等監視員会の検査で指摘を受ける原因の中で最も多いのは、広告等規制違反です。架空の人物の架空の取引を作り出すのが典型的なパターンです。

事例を示します。

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当社は、広告において、当社社員をモデルとした投資家A氏という架空の人物を創作し、当社の配信している無料メールマガジンに、「『ミスター・ストップ高』と異名をとった投資家A氏。A氏が推奨した新興株は、7割がストップ高をマーク。」などと記載し、多数の者に配信した。しかしながら、当社が買付助言を行った銘柄でストップ高となったものの割合は7割を大きく下回っていた。
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解説は不要だと思いますが、同社は、「無料メールマガジン」で、A氏という架空の人物を作り出し、同社の助言で売買した結果、A氏が買った銘柄の7割はストップ高となった、という架空の話を作ったということです。

ここで注意していただきたいことは、無料メールマガジンは「助言」には該当しませんが、「広告等」には該当するという点です。広告等は、投資家が投資をしようかどうかを決める重要な局面で投資家に提供されるものですから、広告規制違反は罪が思いのです。

同社は1か月の業務停止命令を受けました。

次の事例は、要注意です。

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当社は、ホームページに「会員様の声」として「運用実績」等を紹介しており、当社と投資顧問契約を締結した顧客が、当社の助言に基づき高い運用実績を達成したと受け取れる内容の広告を公開していた。しかしながら、そもそも当社には該当する顧客は存在しなかった。
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同社は、1か月の業務停止命令を受けました。

同社は、「高い運用実績を達成した内容の広告」を公開したのではありません。「高い運用実績を達成したと受け取れる内容の広告」をしたとあります。「受け取れる」ということは、はっきりそうだとは書いていないということでしょう。つまり、はっきり書いていなくても、一般の人が読めば誤解するような表現をしてもならないということです。

そもそも論として、架空の人物を作り出したことが問題ですが、すべての投資助言・代理業者の方は、ホームページやメールマガジンなど自社の広告等を、一般の人が読んだらどう読めるかという視点で見直すことが大切です。

テーマ : 金融商品取引法
ジャンル : ファイナンス

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プロフィール

川崎善徳

Author:川崎善徳

<ブログの紹介>
金融商品取引法の体系としては、「金融商品取引法」、「金融商品取引法施行令」の他に、「定義府令」、「企業内容開示府令」、「特定有価証券開示府令」、「証券情報提供府令」、「金商業等府令」、「取引等規制府令」、「開示ガイドライン」などがあります。つまり、膨大だということです。

ただし、金融商品取引法が対象としているものは、2つしかありません。「有価証券」と「デリバティブ取引」です。これ以外のことを金融商品取引法は対象にしていません。また、金融商品取引法の規制には、3つの種類しかありません。「開示規制」、「業者規制(行為規制)」、「不公正取引規制」です。先に挙げた内閣府令はすべて(例外なく)、この3つのいずれかに関連しています。

開示規制は、上場会社や公募債発行の経験あるいは予定のある会社に関わる規制です。業者規制は、金融商品取引業者はもちろん、自主規制機関にも関わる規制です。不公正取引規制は、すべての人(個人・法人、居住者・非居住者を問わない)に関わる規制です。このため、膨大かつ難関な法律とされています。

このブログは、膨大かつ難解な金融商品取引法を、実務経験と知識に基づき、実務に役立つように、やさしく解説している、金融商品取引法の実務に関する日本初の、情報量で国内最大のブログです。

<プロフィール>
川崎善徳。1988年、慶應義塾大学文学部卒業、住友信託銀行に入社。1992年から証券業務のコンプライアンスを担当。1999年、転職し、アセットマネジメント会社や銀行のコンプライアンス部門を経て、BNPパリバ証券コンプライアンス部長、新生証券取締役コンプライアンス部長を歴任。2004年、行政書士登録。現在、JSL行政書士事務所代表。多数の金融商品取引業者の顧問に就任。

JSL行政書士事務所は、100社以上の金融商品取引業者との取引経験に基づき、金融商品取引業者の監査とコンサルティングを実施するコンサルティング・オフィス。また、金融商品取引業者のM&Aのアドバイザー、社内研修の講師、セミナーの講師も行っている。顧問契約を締結している金融商品取引業者は、証券会社(一種業者)、不動産信託受益権販売業者(二種業者)、事業型ファンド販売会社(二種業者)、不動産信託受益に関する助言業者(助言業者)、株券に関する助言業者(助言業者)、不動産AM(運用業者)他と多様な業種に及ぶ。

著書・雑誌:「金融商品取引法の基本がよくわかる本」(中経出版)、「金融商品取引法対応マニュアル」(住宅新報社)、「プレジデント」(取材)、「週刊金融財政事情」(取材)他

社内研修:東証一部上場会社、ジャスダック上場会社、上場会社の子会社、独立系企業、外資系企業と多岐にわたる金融商品取引業者の依頼に応じて日本全国で役員研修・社員研修を実施

セミナー講師:「投資助言業者のための検査対策」(金融財務研究会)、「第二種金融商品取引業者のための検査対策」(金融財務研究会、金融ファクシミリ新聞)、「第二種金融商品取引業者のための効果的な内部監査」(金融ファクシミリ新聞)

メールマガジン:、読者数国内最多の金融商品取引法専門メールマガジンを金融商品取引業者と金融当局に配信中

JSL行政書士事務所代表
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-3-2 郵船ビルディング1階
電話:03-5533-8785
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