広告規制2


印象では、広告規制を甘く見ている金融商品取引業者が少なくないような気がします。特に、投資助言・代理業者の広告規制違反が目立つという印象があります。投資助言・代理業者が広告規制違反をする可能性が高い背景には、投資助言・代理業者はホームページで助言している場合が多いからです。

<広告と広告類似行為>
まず、ホームページは広告そのものです。気軽に立ち上げられるものではありません。広告規制違反は懲役刑です。ホームペーであっても広告である以上、必ず、商号、報酬(手数料)、リスク説明などをしなければなりません。

無料のメールマガジンも広告類似行為です。広告類似行為は広告と同等に扱われます。ですから、商号、報酬、リスク説明が必須です。

他人に広告をさせる行為も広告または広告類似行為です。例えば、他人のブログに自社の宣伝をしてもらうことは、明らかに広告類似行為です。商号などを記載しなければならないのはもういうまでもないでしょう。

では、よくある投資に関するアドバイスをしているブログに自社の広告宣伝をさせて、報酬が入った場合には、ブログの作成者に報酬の一部を支払う行為はなんでしょうか。

まず、広告類似行為に間違いないということは既にお話した通りです。ただ、この場合、広告規制違反だけではすみません。

投資助言・代理業者が、自社の名義の利用を認めて、ブログ作成者に投資のアドバイスをさせる行為は、「名義貸し」です。

<名義貸し>
金融商品取引業者は、自己の名義をもって、他人に金融商品取引業を行わせてはならないというのが名義貸しの禁止規定です。自社の商号の利用を認めて、ブログ作成者に自社の広告宣伝させ、投資アドバイスをさせることは、まさに、定義どおりの名義貸しです。

名義貸しは罪が重いです。なぜなら、名義貸しを許してしまうと、金融商品取引業者の登録制度が無意味になってしまうからです。先の例で言えば、投資助言・代理業者でない者が、投資に関する助言を行って報酬を得る仕組みを作ってしまうからです。投資者保護に著しく欠ける行為です。

金融商品取引業者の登録制度を無意味にする名義貸しは、3年の懲役刑です。重罪だということを記憶にとどめておかなければなりません。

テーマ : 金融商品取引法
ジャンル : ファイナンス

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プロフィール

川崎善徳

Author:川崎善徳

<ブログの紹介>
金融商品取引法の体系としては、「金融商品取引法」、「金融商品取引法施行令」の他に、「定義府令」、「企業内容開示府令」、「特定有価証券開示府令」、「証券情報提供府令」、「金商業等府令」、「取引等規制府令」、「開示ガイドライン」などがあります。つまり、膨大だということです。

ただし、金融商品取引法が対象としているものは、2つしかありません。「有価証券」と「デリバティブ取引」です。これ以外のことを金融商品取引法は対象にしていません。また、金融商品取引法の規制には、3つの種類しかありません。「開示規制」、「業者規制(行為規制)」、「不公正取引規制」です。先に挙げた内閣府令はすべて(例外なく)、この3つのいずれかに関連しています。

開示規制は、上場会社や公募債発行の経験あるいは予定のある会社に関わる規制です。業者規制は、金融商品取引業者はもちろん、自主規制機関にも関わる規制です。不公正取引規制は、すべての人(個人・法人、居住者・非居住者を問わない)に関わる規制です。このため、膨大かつ難関な法律とされています。

このブログは、膨大かつ難解な金融商品取引法を、実務経験と知識に基づき、実務に役立つように、やさしく解説している、金融商品取引法の実務に関する日本初の、情報量で国内最大のブログです。

<プロフィール>
川崎善徳。1988年、慶應義塾大学文学部卒業、住友信託銀行に入社。1992年から証券業務のコンプライアンスを担当。1999年、転職し、アセットマネジメント会社や銀行のコンプライアンス部門を経て、BNPパリバ証券コンプライアンス部長、新生証券取締役コンプライアンス部長を歴任。2004年、行政書士登録。JSL行政書士事務所代表。

JSL行政書士事務所は、200社以上の金融商品取引業者との取引経験に基づき、金融商品取引業者の監査とコンサルティングを実施するコンサルティング・オフィス。また、金融商品取引業者のM&Aのアドバイザー、社内研修の講師、セミナーの講師も行っている。顧問契約を締結している金融商品取引業者は、証券会社(一種業者)、不動産信託受益権販売業者(二種業者)、事業型ファンド販売会社(二種業者)、不動産信託受益に関する助言業者(助言業者)、株券に関する助言業者(助言業者)、不動産AM(運用業者)他と多様な業種に及ぶ。

著書・雑誌:「金融商品取引法の基本がよくわかる本」(中経出版)、「金融商品取引法対応マニュアル」(住宅新報社)、「プレジデント」(取材)、「週刊金融財政事情」(取材)他

社内研修:東証一部上場会社、ジャスダック上場会社、上場会社の子会社、独立系企業、外資系企業と多岐にわたる金融商品取引業者の依頼に応じて日本全国で役員研修・社員研修を実施

セミナー講師:「投資助言業者のための検査対策」(金融財務研究会)、「第二種金融商品取引業者のための検査対策」(金融財務研究会、金融ファクシミリ新聞)、「第二種金融商品取引業者のための効果的な内部監査」(金融ファクシミリ新聞)

メールマガジン:、読者数国内最多の金融商品取引法専門メールマガジンを金融商品取引業者と金融当局に配信中

JSL行政書士事務所代表
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-3-2 郵船ビルディング1階
電話:03-5533-8785
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