コンプライアンス研修3


コンプライアンス研修を実施するにあたって、選ばなければならないことの一つに、誰を講師にするかという問題があります。

結論からいってしまうと、コンプライアンス担当者が適任です。既に説明しましたように、外部講師のコンプライアンス研修はムダであるのが普通です。外部講師は、社内の事情、社内の手続き、社員の役割分担、社員の日常業務を知らないからです。

唯一外部講師の研修が有効な場合があります。コンプライアンス担当者が受講生の場合です。コンプライアンス担当者は、弁護士などが主催する外部研修を受ける価値があります。ですから、コンプライアンス担当者は、積極的に外部講師の研修を受けるべきです。

積極的に受けるというのは、多数受けるという意味です。当り外れがあるからという意味もありますが、外部講師も専門が違うからです。

私の場合、得意な分野は、金融商品取引業者の禁止行為です。他の分野の講師もできますが、やっていて楽しいのは、禁止行為に関する研修です。

他の先生方も、得意分野があるはずです。開示規制が得意な講師で法定帳簿の講師も得意だという話は寡聞にして聞きません。

だから、コンプライアンス担当者は、多数の外部研修を受ける必要があります。

コンプライアンス担当者は、会社に戻ったら、外部研修で習ったことを、社内事情に合わせて加工しなければなりません。社内事情に合わせて加工するとは、「具体的」にするという意味です。

外部講師が話すことは、一般論です。社内講師であるコンプライアンス担当者が話すことは、具体的でなければなりません。

例えば、法定帳簿に関する研修なら、どのタイミングで、誰が、何を記載すべきかを明らかにしないと意味がありません。単に、法定帳簿の種類を並べたてる研修は、外部研修ではあり得ても、社内研修ではあり得ません。

加工作業ができるためには、コンプライアンス担当者は、社員の日常業務を広く浅く知っておく必要があります。

幅広い知識が要求されるところに、コンプライアンス担当者の難しさと楽しさがあります。

テーマ : 金融商品取引法
ジャンル : ファイナンス

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川崎善徳

Author:川崎善徳

<ブログの紹介>
金融商品取引法の体系としては、「金融商品取引法」、「金融商品取引法施行令」の他に、「定義府令」、「企業内容開示府令」、「特定有価証券開示府令」、「証券情報提供府令」、「金商業等府令」、「取引等規制府令」、「開示ガイドライン」などがあります。つまり、膨大だということです。

ただし、金融商品取引法が対象としているものは、2つしかありません。「有価証券」と「デリバティブ取引」です。これ以外のことを金融商品取引法は対象にしていません。また、金融商品取引法の規制には、3つの種類しかありません。「開示規制」、「業者規制(行為規制)」、「不公正取引規制」です。先に挙げた内閣府令はすべて(例外なく)、この3つのいずれかに関連しています。

開示規制は、上場会社や公募債発行の経験あるいは予定のある会社に関わる規制です。業者規制は、金融商品取引業者はもちろん、自主規制機関にも関わる規制です。不公正取引規制は、すべての人(個人・法人、居住者・非居住者を問わない)に関わる規制です。このため、膨大かつ難関な法律とされています。

このブログは、膨大かつ難解な金融商品取引法を、実務経験と知識に基づき、実務に役立つように、やさしく解説している、金融商品取引法の実務に関する日本初の、情報量で国内最大のブログです。

<プロフィール>
川崎善徳。1988年、慶應義塾大学文学部卒業、住友信託銀行に入社。1992年から証券業務のコンプライアンスを担当。1999年、転職し、アセットマネジメント会社や銀行のコンプライアンス部門を経て、BNPパリバ証券コンプライアンス部長、新生証券取締役コンプライアンス部長を歴任。2004年、行政書士登録。JSL行政書士事務所代表。

JSL行政書士事務所は、200社以上の金融商品取引業者との取引経験に基づき、金融商品取引業者の監査とコンサルティングを実施するコンサルティング・オフィス。また、金融商品取引業者のM&Aのアドバイザー、社内研修の講師、セミナーの講師も行っている。顧問契約を締結している金融商品取引業者は、証券会社(一種業者)、不動産信託受益権販売業者(二種業者)、事業型ファンド販売会社(二種業者)、不動産信託受益に関する助言業者(助言業者)、株券に関する助言業者(助言業者)、不動産AM(運用業者)他と多様な業種に及ぶ。

著書・雑誌:「金融商品取引法の基本がよくわかる本」(中経出版)、「金融商品取引法対応マニュアル」(住宅新報社)、「プレジデント」(取材)、「週刊金融財政事情」(取材)他

社内研修:東証一部上場会社、ジャスダック上場会社、上場会社の子会社、独立系企業、外資系企業と多岐にわたる金融商品取引業者の依頼に応じて日本全国で役員研修・社員研修を実施

セミナー講師:「投資助言業者のための検査対策」(金融財務研究会)、「第二種金融商品取引業者のための検査対策」(金融財務研究会、金融ファクシミリ新聞)、「第二種金融商品取引業者のための効果的な内部監査」(金融ファクシミリ新聞)

メールマガジン:、読者数国内最多の金融商品取引法専門メールマガジンを金融商品取引業者と金融当局に配信中

JSL行政書士事務所代表
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-3-2 郵船ビルディング1階
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