定義2


<募集>
募集とは、新たに発行される社債の取得の申込みの勧誘のうち、不特定かつ多数に行われる行為を指します。

「取得の申込みの勧誘」と金商法にありますが、新入社員にはまずわからない言葉です。

「取得」とは投資者が行う社債の取得のことです。

<もっと知りたい方へ>
ここで用語上の注意ですが、募集と売出し(後述)の定義においては、取得とは、これから発行される社債を取得する行為をいいます。新たに発行される社債の取得を「買う」とはいいません。買付けや売付けや売買という単語は、既に発行されて市場に流通している社債に関して使用する用語です。まだ発行されていない、新たに発行される社債に関して使用する用語は、「買う」「買付け」ではなく、常に、「取得」です。

閑話休題。

「取得の申込みの勧誘」とは、文字通り、「取得の申込みをしませんか」と声をかける行為です。「申し込んでください」と声をかけるのです。「取得してください」と声をかけるのではありません。

取得の申込みの勧誘のことを「取得勧誘」と呼びます。したがって、社債の募集とは、新たに発行される社債の取得勧誘を指すことになります。相手方は、「不特定かつ多数」です。

ここまで大丈夫ですか。

<私募>
不特定かつ多数の反対、つまり、特定または少数を相手方とする取得勧誘が、私募です。

私募は、新たに発行される社債の取得勧誘のうち、特定または少数に行われる行為を指します。

まず、「特定」です。特定には、二種類あります。取得勧誘の相手方が、適格機関投資家のみの場合と特定投資家のみの場合です。適格機関投資家向けの私募は、一般的に、プロ私募と呼ばれます。

次に、「少数」です。少数は、取得勧誘の相手方が、50名未満の場合です。一般的に、少人数私募と呼ばれます。

なお、同一社債についてプロ私募と少人数私募の両方を行うことは可能でしょうか。

10億円発行した社債のうち、7億円をプロ私募として、3億円を少人数私募として発行することができるかという問題です。金商法2条3項1号より、これは、可能です。

適格機関投資家に対してのみ取得勧誘をしたら、すべてプロ私募になるのでしょうか。あるいは、50名未満にのみ取得勧誘をするなら、いつでも少人数私募になるのでしょうか。

これは違います。

テーマ : 金融商品取引法
ジャンル : ファイナンス

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川崎善徳

Author:川崎善徳

<ブログの紹介>
金融商品取引法の体系としては、「金融商品取引法」、「金融商品取引法施行令」の他に、「定義府令」、「企業内容開示府令」、「特定有価証券開示府令」、「証券情報提供府令」、「金商業等府令」、「取引等規制府令」、「開示ガイドライン」などがあります。つまり、膨大だということです。

ただし、金融商品取引法が対象としているものは、2つしかありません。「有価証券」と「デリバティブ取引」です。これ以外のことを金融商品取引法は対象にしていません。また、金融商品取引法の規制には、3つの種類しかありません。「開示規制」、「業者規制(行為規制)」、「不公正取引規制」です。先に挙げた内閣府令はすべて(例外なく)、この3つのいずれかに関連しています。

開示規制は、上場会社や公募債発行の経験あるいは予定のある会社に関わる規制です。業者規制は、金融商品取引業者はもちろん、自主規制機関にも関わる規制です。不公正取引規制は、すべての人(個人・法人、居住者・非居住者を問わない)に関わる規制です。このため、膨大かつ難関な法律とされています。

このブログは、膨大かつ難解な金融商品取引法を、実務経験と知識に基づき、実務に役立つように、やさしく解説している、金融商品取引法の実務に関する日本初の、情報量で国内最大のブログです。

<プロフィール>
川崎善徳。1988年、慶應義塾大学文学部卒業、住友信託銀行に入社。1992年から証券業務のコンプライアンスを担当。1999年、転職し、アセットマネジメント会社や銀行のコンプライアンス部門を経て、BNPパリバ証券コンプライアンス部長、新生証券取締役コンプライアンス部長を歴任。2004年、行政書士登録。JSL行政書士事務所代表。

JSL行政書士事務所は、100社以上の金融商品取引業者との取引経験に基づき、金融商品取引業者の監査とコンサルティングを実施するコンサルティング・オフィス。また、金融商品取引業者のM&Aのアドバイザー、社内研修の講師、セミナーの講師も行っている。顧問契約を締結している金融商品取引業者は、証券会社(一種業者)、不動産信託受益権販売業者(二種業者)、事業型ファンド販売会社(二種業者)、不動産信託受益に関する助言業者(助言業者)、株券に関する助言業者(助言業者)、不動産AM(運用業者)他と多様な業種に及ぶ。

著書・雑誌:「金融商品取引法の基本がよくわかる本」(中経出版)、「金融商品取引法対応マニュアル」(住宅新報社)、「プレジデント」(取材)、「週刊金融財政事情」(取材)他

社内研修:東証一部上場会社、ジャスダック上場会社、上場会社の子会社、独立系企業、外資系企業と多岐にわたる金融商品取引業者の依頼に応じて日本全国で役員研修・社員研修を実施

セミナー講師:「投資助言業者のための検査対策」(金融財務研究会)、「第二種金融商品取引業者のための検査対策」(金融財務研究会、金融ファクシミリ新聞)、「第二種金融商品取引業者のための効果的な内部監査」(金融ファクシミリ新聞)

メールマガジン:、読者数国内最多の金融商品取引法専門メールマガジンを金融商品取引業者と金融当局に配信中

JSL行政書士事務所代表
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-3-2 郵船ビルディング1階
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