インサイダー取引(4)


インサイダー取引の基礎となるインサイダー情報とは「未公表」の情報に限ります。ですから、誰によって、どのように公表されれば、いつから金商法上公表されたと認定されるかが重要になってきます。

公表に関する規定の内容は、平成25年改正法においても、従来とほとんどまったく変わりません。

<公表者(法人)>
上場企業に関する重要事実については上場企業が、上場投資法人に関する重要事実については上場投資法人が公表した場合に、公表されたと認定されるのが合理的ですし、金商法もそう規定しています。

さらに、上場投資法人に関する重要事実については、上場投資法人ではなく、資産運用会社が決定した事実も含まれますので、この場合は、資産運用会社が公表した場合に、公表されたと認定されます。

<公表者(自然人)>
つまり、公表者は、場合に応じて、上場企業、上場投資法人、資産運用会社になるのですが、これらは法人ですから、実際には、自然人(人)が公表することになります。

法人の役職員なら誰が公表しても金商法上公表されたと認定されるわけではありません。権限のない人が公表しても公表されたことにならないということです。

基本的に、金商法上公表されたと認定されるためには、上場企業、上場投資法人、資産運用会社の代表取締役か、代表取締役から公表することを委任された者が公表しない限りは、金商法上公表されたと認定されません。

<方法と時期>
公表の方法と時期については、まず、公表者(自然人)が、2以上の報道機関に対して公開し、かつ、公開された重要事実の周知期間が経過したときに金商法上公表されたと認定されます。

また、公表者(法人)が、重要事実を金融商品取引所に通知し、通知された重要事実が公衆の縦覧に供されたときも、金商法上公表されたと認定されます。

さらに、重要事実が記載された有価証券報告書などが公衆の縦覧に供されたときも、金商法上公表されたと認定されます。

テーマ : 金融商品取引法
ジャンル : ファイナンス

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川崎善徳

Author:川崎善徳

<ブログの紹介>
金融商品取引法の体系としては、「金融商品取引法」、「金融商品取引法施行令」の他に、「定義府令」、「企業内容開示府令」、「特定有価証券開示府令」、「証券情報提供府令」、「金商業等府令」、「取引等規制府令」、「開示ガイドライン」などがあります。つまり、膨大だということです。

ただし、金融商品取引法が対象としているものは、2つしかありません。「有価証券」と「デリバティブ取引」です。これ以外のことを金融商品取引法は対象にしていません。また、金融商品取引法の規制には、3つの種類しかありません。「開示規制」、「業者規制(行為規制)」、「不公正取引規制」です。先に挙げた内閣府令はすべて(例外なく)、この3つのいずれかに関連しています。

開示規制は、上場会社や公募債発行の経験あるいは予定のある会社に関わる規制です。業者規制は、金融商品取引業者はもちろん、自主規制機関にも関わる規制です。不公正取引規制は、すべての人(個人・法人、居住者・非居住者を問わない)に関わる規制です。このため、膨大かつ難関な法律とされています。

このブログは、膨大かつ難解な金融商品取引法を、実務経験と知識に基づき、実務に役立つように、やさしく解説している、金融商品取引法の実務に関する日本初の、情報量で国内最大のブログです。

<プロフィール>
川崎善徳。1988年、慶應義塾大学文学部卒業、住友信託銀行に入社。1992年から証券業務のコンプライアンスを担当。1999年、転職し、アセットマネジメント会社や銀行のコンプライアンス部門を経て、BNPパリバ証券コンプライアンス部長、新生証券取締役コンプライアンス部長を歴任。2004年、行政書士登録。JSL行政書士事務所代表。

JSL行政書士事務所は、200社以上の金融商品取引業者との取引経験に基づき、金融商品取引業者の監査とコンサルティングを実施するコンサルティング・オフィス。また、金融商品取引業者のM&Aのアドバイザー、社内研修の講師、セミナーの講師も行っている。顧問契約を締結している金融商品取引業者は、証券会社(一種業者)、不動産信託受益権販売業者(二種業者)、事業型ファンド販売会社(二種業者)、不動産信託受益に関する助言業者(助言業者)、株券に関する助言業者(助言業者)、不動産AM(運用業者)他と多様な業種に及ぶ。

著書・雑誌:「金融商品取引法の基本がよくわかる本」(中経出版)、「金融商品取引法対応マニュアル」(住宅新報社)、「プレジデント」(取材)、「週刊金融財政事情」(取材)他

社内研修:東証一部上場会社、ジャスダック上場会社、上場会社の子会社、独立系企業、外資系企業と多岐にわたる金融商品取引業者の依頼に応じて日本全国で役員研修・社員研修を実施

セミナー講師:「投資助言業者のための検査対策」(金融財務研究会)、「第二種金融商品取引業者のための検査対策」(金融財務研究会、金融ファクシミリ新聞)、「第二種金融商品取引業者のための効果的な内部監査」(金融ファクシミリ新聞)

メールマガジン:、読者数国内最多の金融商品取引法専門メールマガジンを金融商品取引業者と金融当局に配信中

JSL行政書士事務所代表
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-3-2 郵船ビルディング1階
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