平成26年度証券検査基本方針(1)


昨日、証券取引等監視委員会(SESC)は、「平成26年証券検査基本方針及び証券検査基本計画」を公表しました。今日から、シリーズで解説していきます。

<SESCの使命>
SESCは、金融商品取引業者等の検査を「証券検査」と呼びます。理由はわかりませんが、おそらく、証券取引法の名残ではないかと思います。

SESCの使命は、「市場の公正性・透明性の確保及び投資者保護」とあります。市場の公正性と透明性の確保とは、人(法人を含む)に安心して「市場」に参加してもらえる環境を整えるという意味です。市場に参加した人を「投資者」と言いますが、投資者に安心を与える環境整備が「投資者保護」です。

これがSESCの使命。

<証券検査の目的>
SESCの使命から当然の帰結になりますが、「証券検査の目的は・・・投資者が安心して投資を行える環境を保つこと」が証券検査の目的だと言っています。「・・・」には方法論が書いてあります。

<ゲートキーパー>
方法論としてSESCは、「金融商品取引業者などが・・・ゲートキーパーとしての機能を発揮するなど、市場における仲介者としての役割を適切に果たすよう促すことにより」環境整備をします。

「ゲートキーパー」がキーワードです。

ゲートキーパーを説明する前に、金融商品取引法とはどういう法律なのか、もう一度確認しておきましょう。

金融商品取引法は、たくさん条文がありますが、結局、有価証券取引とデリバティブ取引を規制する法律です。これだけです。実は非常にシンプルなのです。

つまり、SESCのいうゲートキーパーとは、投資者保護に反する有価証券やデリバティブ取引が投資者まで到達しないように、門前払いをする役目のことを意味します。

逆に言うと、投資者保護に反する有価証券やデリバティブ取引が投資者に到達することを阻止できない金商業者はいらない、市場から退場してもらう、つぶすということになります。

SESCが、検査の目的を達成するためにとる方法論はこれ、つまり、ゲートキーパーとならない金商業者を市場から排除することです。

テーマ : 金融商品取引法
ジャンル : ファイナンス

コメント

非公開コメント

プロフィール

川崎善徳

Author:川崎善徳

<ブログの紹介>
金融商品取引法の体系としては、「金融商品取引法」、「金融商品取引法施行令」の他に、「定義府令」、「企業内容開示府令」、「特定有価証券開示府令」、「証券情報提供府令」、「金商業等府令」、「取引等規制府令」、「開示ガイドライン」などがあります。つまり、膨大だということです。

ただし、金融商品取引法が対象としているものは、2つしかありません。「有価証券」と「デリバティブ取引」です。これ以外のことを金融商品取引法は対象にしていません。また、金融商品取引法の規制には、3つの種類しかありません。「開示規制」、「業者規制(行為規制)」、「不公正取引規制」です。先に挙げた内閣府令はすべて(例外なく)、この3つのいずれかに関連しています。

開示規制は、上場会社や公募債発行の経験あるいは予定のある会社に関わる規制です。業者規制は、金融商品取引業者はもちろん、自主規制機関にも関わる規制です。不公正取引規制は、すべての人(個人・法人、居住者・非居住者を問わない)に関わる規制です。このため、膨大かつ難関な法律とされています。

このブログは、膨大かつ難解な金融商品取引法を、実務経験と知識に基づき、実務に役立つように、やさしく解説している、金融商品取引法の実務に関する日本初の、情報量で国内最大のブログです。

<プロフィール>
川崎善徳。1988年、慶應義塾大学文学部卒業、住友信託銀行に入社。1992年から証券業務のコンプライアンスを担当。1999年、転職し、アセットマネジメント会社や銀行のコンプライアンス部門を経て、BNPパリバ証券コンプライアンス部長、新生証券取締役コンプライアンス部長を歴任。2004年、行政書士登録。JSL行政書士事務所代表。

JSL行政書士事務所は、200社以上の金融商品取引業者との取引経験に基づき、金融商品取引業者の監査とコンサルティングを実施するコンサルティング・オフィス。また、金融商品取引業者のM&Aのアドバイザー、社内研修の講師、セミナーの講師も行っている。顧問契約を締結している金融商品取引業者は、証券会社(一種業者)、不動産信託受益権販売業者(二種業者)、事業型ファンド販売会社(二種業者)、不動産信託受益に関する助言業者(助言業者)、株券に関する助言業者(助言業者)、不動産AM(運用業者)他と多様な業種に及ぶ。

著書・雑誌:「金融商品取引法の基本がよくわかる本」(中経出版)、「金融商品取引法対応マニュアル」(住宅新報社)、「プレジデント」(取材)、「週刊金融財政事情」(取材)他

社内研修:東証一部上場会社、ジャスダック上場会社、上場会社の子会社、独立系企業、外資系企業と多岐にわたる金融商品取引業者の依頼に応じて日本全国で役員研修・社員研修を実施

セミナー講師:「投資助言業者のための検査対策」(金融財務研究会)、「第二種金融商品取引業者のための検査対策」(金融財務研究会、金融ファクシミリ新聞)、「第二種金融商品取引業者のための効果的な内部監査」(金融ファクシミリ新聞)

メールマガジン:、読者数国内最多の金融商品取引法専門メールマガジンを金融商品取引業者と金融当局に配信中

JSL行政書士事務所代表
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-3-2 郵船ビルディング1階
電話:03-5533-8785
http://office-jsl.com/

<お問い合わせ>
お問い合わせは、お問い合わせフォームで受け付けます。

<主な業務>
主な業務は、主な業務をご覧ください。

ブログの内容は個人的見解ですので、正確性は保証いたしません。また、ブログの内容に関する質問を含め、質問には一切回答いたしかねますので、ご了承ください。

プライバシーポリシー

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
Translation
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード