自分でできる検査対策1


「検査対策などいらない」

そうおっしゃる金融商品取引業者の方、特に、金融商品取引法施行で初めて金融庁管轄に入られた方は少なくありません。

検査対策は必要ないという考え方が決定的に間違っていると気づくのは、実際に検査が入ってからです。証拠は、検査を何度も受けた経験のある証券会社は、日々(大げさではなく毎日です)実施していることです。

「必要なことはわかた。でも、何をしていいのかわからないから専門家に任せるよ」

そうして頂けると、私のようなコンサルタントは助かりますが、少なからずの証券会社が自社で行っているのですから、他の業態でも自社で実施できるはずです。

今日から、シリーズで「自分でできる検査対策」をお送りします。

二種業者を想定していますが、大枠は一種業者(証券会社)も助言業者も同じです。運用業者だけは異なります。

さて、自分でできる検査対策を今日からでも始めましょう。資料は、「証券検査マニュアル」(証券取引等監視委員会)です。

<法令の理解>
金融商品取引法は大変複雑な法律です。政令、定義府令、金商業等府令、企業内容開示府令、特定有価証券開示府令も、常時、参照しなければなりません。

こうして一見大変な金融商品取引法関連法令ですが、規定対象はわずか2つです。「有価証券」の取引と、「デリバティブ取引」。これだけです。また、目的も一つです。「公正な価格形成」です。

この基本さえ押さえておけば、あとはすべて応用に過ぎません。

法令の理解についてですが、これは、「取締役会」に求められています。取締役会がない場合(一種はあり得ません)、取締役に求められます。

「何を当たり前な」と思うかもしれませんが、特に、二種業者は、金融商品取引業、具体的には、信託受益権やファンドの販売は、場合によっては、本業ではありません。だから、どうしても「手を抜く」傾向が見られてもおかしくありません。

だから、念押しのため、「取締役会は、遵守すべき法令等を理解しているか」という検査項目がトップに来ているのです。

<具体的な方法>
「取締役会の義務はわかったが、具体的には何をすればいいの?」というのが素朴な疑問だと思います。

具体的には、「役員研修」を実施します。できれば毎月、最低でも3か月に1回は、役員を対象にしたコンプライアンス研修(社内研修)を実施します。ここは、専門家を講師として呼ぶ他ないと思いますが、役員研修が、最も有効な方法です。

テーマ : 金融商品取引法
ジャンル : ファイナンス

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プロフィール

川崎善徳

Author:川崎善徳

<ブログの紹介>
金融商品取引法の体系としては、「金融商品取引法」、「金融商品取引法施行令」の他に、「定義府令」、「企業内容開示府令」、「特定有価証券開示府令」、「証券情報提供府令」、「金商業等府令」、「取引等規制府令」、「開示ガイドライン」などがあります。つまり、膨大だということです。

ただし、金融商品取引法が対象としているものは、2つしかありません。「有価証券」と「デリバティブ取引」です。これ以外のことを金融商品取引法は対象にしていません。また、金融商品取引法の規制には、3つの種類しかありません。「開示規制」、「業者規制(行為規制)」、「不公正取引規制」です。先に挙げた内閣府令はすべて(例外なく)、この3つのいずれかに関連しています。

開示規制は、上場会社や公募債発行の経験あるいは予定のある会社に関わる規制です。業者規制は、金融商品取引業者はもちろん、自主規制機関にも関わる規制です。不公正取引規制は、すべての人(個人・法人、居住者・非居住者を問わない)に関わる規制です。このため、膨大かつ難関な法律とされています。

このブログは、膨大かつ難解な金融商品取引法を、実務経験と知識に基づき、実務に役立つように、やさしく解説している、金融商品取引法の実務に関する日本初の、情報量で国内最大のブログです。

<プロフィール>
川崎善徳。1988年、慶應義塾大学文学部卒業、住友信託銀行に入社。1992年から証券業務のコンプライアンスを担当。1999年、転職し、アセットマネジメント会社や銀行のコンプライアンス部門を経て、BNPパリバ証券コンプライアンス部長、新生証券取締役コンプライアンス部長を歴任。2004年、行政書士登録。現在、JSL行政書士事務所代表。多数の金融商品取引業者の顧問に就任。

JSL行政書士事務所は、100社以上の金融商品取引業者との取引経験に基づき、金融商品取引業者の監査とコンサルティングを実施するコンサルティング・オフィス。また、金融商品取引業者のM&Aのアドバイザー、社内研修の講師、セミナーの講師も行っている。顧問契約を締結している金融商品取引業者は、証券会社(一種業者)、不動産信託受益権販売業者(二種業者)、事業型ファンド販売会社(二種業者)、不動産信託受益に関する助言業者(助言業者)、株券に関する助言業者(助言業者)、不動産AM(運用業者)他と多様な業種に及ぶ。

著書・雑誌:「金融商品取引法の基本がよくわかる本」(中経出版)、「金融商品取引法対応マニュアル」(住宅新報社)、「プレジデント」(取材)、「週刊金融財政事情」(取材)他

社内研修:東証一部上場会社、ジャスダック上場会社、上場会社の子会社、独立系企業、外資系企業と多岐にわたる金融商品取引業者の依頼に応じて日本全国で役員研修・社員研修を実施

セミナー講師:「投資助言業者のための検査対策」(金融財務研究会)、「第二種金融商品取引業者のための検査対策」(金融財務研究会、金融ファクシミリ新聞)、「第二種金融商品取引業者のための効果的な内部監査」(金融ファクシミリ新聞)

メールマガジン:、読者数国内最多の金融商品取引法専門メールマガジンを金融商品取引業者と金融当局に配信中

JSL行政書士事務所代表
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-3-2 郵船ビルディング1階
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