自分でできる検査対策6


内部管理部門の責任者(内部管理統括責任者)の役割は重いです。

<コンプライアンス関連情報の収集>
内部管理統括責任者は、的確にコンプライアンス関連の情報を収集して、掌握し、掌握したコンプライアンス関連の情報を、役職員に周知することが求められています。

例えば、法令違反には至らなかったけれども、法令違反となる可能性のある行為を発見したとき、内部管理統括責任者は、事例集としてまとめ、全役職員に事例集をメールで送る方法などが考えられます。

<内部管理担当者の役割>
営業部門等の内部管理担当者の役割も大変です。

まず、顧客管理や営業員管理などについて、適切な管理態勢を整備しなければなりません。具体的には、顧客管理規程を作成したり、営業員服務規程を作成したりして、規程に関する社内研修を行うことなどが方法になると考えます。

さらに、法令違反行為や不適切行為がないことを確認し、万一あった場合には、自らの指揮・監督のもと、改善を図る責務を負っていることを認識し、実行を担保するための体制を整備することが求められます。

おそらく、初めて読むと何を言ってるんだかさっぱりわからない状態だと思いますが、例えば、各部門の内部管理担当者は、部内研修を行って、法令違反や不適切行為を部員に周知し、部員から情報を収集し、万一法令違反や不適切行為を発見したときには、内部管理統括責任者に報告するとともに、改善策を講じるという社内規則を設ける方法が考えられます。

「営業部長がそんなことをしていられるか!」と思うかもしれませんが、金融商品取引業者である以上、避けて通れません。

もっとも、検査実務では、内部管理担当者に、そこまで厳格な体制整備を求めないきらいがあるようです。

証券取引等監視委員会(財務局)の検査官、甘いです。

法令違反や不適切行為が発生しないようにするためには、仮に、本業が金商業ではない二種業者においても、やはり、検査マニュアルにある体制整備が行われているかどうかを検査すべきです。体制整備ができていないと法令違反や不適切行為が繰り返される可能性があるからです。

テーマ : 金融商品取引法
ジャンル : ファイナンス

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川崎善徳

Author:川崎善徳

<ブログの紹介>
金融商品取引法の体系としては、「金融商品取引法」、「金融商品取引法施行令」の他に、「定義府令」、「企業内容開示府令」、「特定有価証券開示府令」、「証券情報提供府令」、「金商業等府令」、「取引等規制府令」、「開示ガイドライン」などがあります。つまり、膨大だということです。

ただし、金融商品取引法が対象としているものは、2つしかありません。「有価証券」と「デリバティブ取引」です。これ以外のことを金融商品取引法は対象にしていません。また、金融商品取引法の規制には、3つの種類しかありません。「開示規制」、「業者規制(行為規制)」、「不公正取引規制」です。先に挙げた内閣府令はすべて(例外なく)、この3つのいずれかに関連しています。

開示規制は、上場会社や公募債発行の経験あるいは予定のある会社に関わる規制です。業者規制は、金融商品取引業者はもちろん、自主規制機関にも関わる規制です。不公正取引規制は、すべての人(個人・法人、居住者・非居住者を問わない)に関わる規制です。このため、膨大かつ難関な法律とされています。

このブログは、膨大かつ難解な金融商品取引法を、実務経験と知識に基づき、実務に役立つように、やさしく解説している、金融商品取引法の実務に関する日本初の、情報量で国内最大のブログです。

<プロフィール>
川崎善徳。1988年、慶應義塾大学文学部卒業、住友信託銀行に入社。1992年から証券業務のコンプライアンスを担当。1999年、転職し、アセットマネジメント会社や銀行のコンプライアンス部門を経て、BNPパリバ証券コンプライアンス部長、新生証券取締役コンプライアンス部長を歴任。2004年、行政書士登録。現在、JSL行政書士事務所代表。多数の金融商品取引業者の顧問に就任。

JSL行政書士事務所は、100社以上の金融商品取引業者との取引経験に基づき、金融商品取引業者の監査とコンサルティングを実施するコンサルティング・オフィス。また、金融商品取引業者のM&Aのアドバイザー、社内研修の講師、セミナーの講師も行っている。顧問契約を締結している金融商品取引業者は、証券会社(一種業者)、不動産信託受益権販売業者(二種業者)、事業型ファンド販売会社(二種業者)、不動産信託受益に関する助言業者(助言業者)、株券に関する助言業者(助言業者)、不動産AM(運用業者)他と多様な業種に及ぶ。

著書・雑誌:「金融商品取引法の基本がよくわかる本」(中経出版)、「金融商品取引法対応マニュアル」(住宅新報社)、「プレジデント」(取材)、「週刊金融財政事情」(取材)他

社内研修:東証一部上場会社、ジャスダック上場会社、上場会社の子会社、独立系企業、外資系企業と多岐にわたる金融商品取引業者の依頼に応じて日本全国で役員研修・社員研修を実施

セミナー講師:「投資助言業者のための検査対策」(金融財務研究会)、「第二種金融商品取引業者のための検査対策」(金融財務研究会、金融ファクシミリ新聞)、「第二種金融商品取引業者のための効果的な内部監査」(金融ファクシミリ新聞)

メールマガジン:、読者数国内最多の金融商品取引法専門メールマガジンを金融商品取引業者と金融当局に配信中

JSL行政書士事務所代表
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-3-2 郵船ビルディング1階
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