63条の見直しがAMに与える影響3


平成27年改正金商法の施行に伴う適格機関投資家等特例業務に関する最新情報はこちらから


最近、不動産AMから「投資運用業の登録について相談したい」という問い合わせが、私のところに増えています。

なぜでしょうか。

3回目になる今日は、適格機関投資家等特例業務についての説明です。

<適格機関投資家等特例業務>
GK-TKスキームにおいて、適格機関投資家等特例業務とは、1名以上の適格機関投資家と、一定の要件を満たした49名以下の適格機関投資家以外の投資家(以下「一般投資家」といいます。)を出資者として、自己私募及び自己運用を、二種業者又は運用業者として登録を受けずに、簡易な届出書を提出するだけで開始できる制度です。

<一般投資家の範囲>
今日現在、49名以下の一般投資家の範囲に規制はありません。いかなる個人であっても、一般投資家です。

適格機関投資家等特例業務の届出を行った者を「特例業務届出者」と言いますが、現在は、投資経験のない個人であっても、特例業務届出者に金銭を預け、運用を任せるということが現実に起きています。

ところが、特例業務届出者は善良な者ばかりではなく、悪質な特例業務届出者が後を絶たなかったようです。詳しくは、証券取引等監視委員会の建議をご覧ください。(建議は、こちらです)

そこで、証券取引等監視委員会の建議に基づき、金融庁は、一般投資家の範囲を限定する改正を行うこととしました。

具体的には、誰でも一般投資家になれるわけではなく、一定規模以上の資産と投資経験を有する個人や、一定規模以上の資本金を有する法人など以外は、一般投資家として認めない!という改正をします。

改正されたルールの施行日は、今年の8月1日ですので目前です。

<AMに与える影響>
さて、このような適格機関投資家等特例業務の見直しが、AMにどのような影響を与えるのでしょうか。

GK-TKスキームにおいて、AMが助言業者としてのみ登録を受けている場合には、SPCは助言を受けているだけであり、運用権限はSPCにあるため、SPCが不動産信託受益権で出資金を運用する行為は自己運用になってしまうというという話は既にしました。

だから、SPCである合同会社を特例業務届出者として、簡易な手続きで自己運用ができる体制を整えているという実態があります。

しかし、適格機関投資家等特例業務の見直しの結果、一般投資家の範囲が限定されてしまうと、話は違います。

すべての出資者が見直し後の一般投資家である場合は、AMは何らの影響も受けませんが、一人でも見直し後の一般投資家に該当しない一般投資家がいると、SPCは特例業務届出者とは認められなくなるため、自己運用ができなくなってしまいます。

すると、AMが助言業者としてのみ登録を受けている場合、SPCである合同会社が特例業務届出者だったから自己運用ができるために成り立っていたスキームを維持することができなくなります。

<回避する手段>
これを回避する手段として、今思い浮かぶ方法は、3つしかありません。

テーマ : 金融商品取引法
ジャンル : ファイナンス

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川崎善徳

Author:川崎善徳

<ブログの紹介>
金融商品取引法の体系としては、「金融商品取引法」、「金融商品取引法施行令」の他に、「定義府令」、「企業内容開示府令」、「特定有価証券開示府令」、「証券情報提供府令」、「金商業等府令」、「取引等規制府令」、「開示ガイドライン」などがあります。つまり、膨大だということです。

ただし、金融商品取引法が対象としているものは、2つしかありません。「有価証券」と「デリバティブ取引」です。これ以外のことを金融商品取引法は対象にしていません。また、金融商品取引法の規制には、3つの種類しかありません。「開示規制」、「業者規制(行為規制)」、「不公正取引規制」です。先に挙げた内閣府令はすべて(例外なく)、この3つのいずれかに関連しています。

開示規制は、上場会社や公募債発行の経験あるいは予定のある会社に関わる規制です。業者規制は、金融商品取引業者はもちろん、自主規制機関にも関わる規制です。不公正取引規制は、すべての人(個人・法人、居住者・非居住者を問わない)に関わる規制です。このため、膨大かつ難関な法律とされています。

このブログは、膨大かつ難解な金融商品取引法を、実務経験と知識に基づき、実務に役立つように、やさしく解説している、金融商品取引法の実務に関する日本初の、情報量で国内最大のブログです。

<プロフィール>
川崎善徳。1988年、慶應義塾大学文学部卒業、住友信託銀行に入社。1992年から証券業務のコンプライアンスを担当。1999年、転職し、アセットマネジメント会社や銀行のコンプライアンス部門を経て、BNPパリバ証券コンプライアンス部長、新生証券取締役コンプライアンス部長を歴任。2004年、行政書士登録。JSL行政書士事務所代表。

JSL行政書士事務所は、200社以上の金融商品取引業者との取引経験に基づき、金融商品取引業者の監査とコンサルティングを実施するコンサルティング・オフィス。また、金融商品取引業者のM&Aのアドバイザー、社内研修の講師、セミナーの講師も行っている。顧問契約を締結している金融商品取引業者は、証券会社(一種業者)、不動産信託受益権販売業者(二種業者)、事業型ファンド販売会社(二種業者)、不動産信託受益に関する助言業者(助言業者)、株券に関する助言業者(助言業者)、不動産AM(運用業者)他と多様な業種に及ぶ。

著書・雑誌:「金融商品取引法の基本がよくわかる本」(中経出版)、「金融商品取引法対応マニュアル」(住宅新報社)、「プレジデント」(取材)、「週刊金融財政事情」(取材)他

社内研修:東証一部上場会社、ジャスダック上場会社、上場会社の子会社、独立系企業、外資系企業と多岐にわたる金融商品取引業者の依頼に応じて日本全国で役員研修・社員研修を実施

セミナー講師:「投資助言業者のための検査対策」(金融財務研究会)、「第二種金融商品取引業者のための検査対策」(金融財務研究会、金融ファクシミリ新聞)、「第二種金融商品取引業者のための効果的な内部監査」(金融ファクシミリ新聞)

メールマガジン:、読者数国内最多の金融商品取引法専門メールマガジンを金融商品取引業者と金融当局に配信中

JSL行政書士事務所代表
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-3-2 郵船ビルディング1階
電話:03-5533-8785
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