REITの開始手続3


設立・成立した投資法人は、登録を受けます。

<投資法人登録申請書>
投資法人登録申請書に記載すべき事項は次の通りです。

1 投資法人設立届出書受理年月日及び受理番号

2 規約記載事項等

3 執行役員、監督役員及び会計監査人

4 資産の運用を行う資産運用会社

5 資産の運用を行う資産運用会社と締結した資産運用に係る委託契約の概要

6 資産保管会社

7 投資法人の存続期間又は解散事由

8 投資法人設立年月日

9 投資法人設立時の状況

10 払込取扱機関

11 一般事務受託者

12 一般事務受託者と締結した事務の委託契約の概要

13 執行役員又は監督役員の兼職状況

14 主要な投資主

15 創立総会の開催状況

<特定投資運用行為>
少し複雑になりますが、「特定投資運用行為」について触れておきます。

投資運用業業者は、投資運用業、付随業務、届出業務及び承認業務しかできません。すると、資産運用会社として運用の委託を受けた投資運用業者が行う「現物不動産に投資する運用行為」は何か?という問題が生じます。結論は、「承認業務」です。

そこで、投信法は、投資法人との資産運用委託契約に基づき現物不動産で運用する投資運用業者の行為を「特定投資運用行為」と定義し、投資運用業の登録を受けようとする際、申請者が特定投資運用行為を行う旨を記載すれば、特定投資運用行為に係る承認を受けたものとみなす規定を置いています。

<上場審査の形式要件>
上場REITを考えている場合は、最低限次の要件を満たす必要があります。

1 投資法人の資産の運用に係る業務の委託を受けた資産運用会社が一般社団法人投資信託協会の会員であること。

2 上場投資口口数又は上場受益権口数が、上場の時までに4,000口以上となる見込みのあること。

3 純資産総額が、上場の時までに10億円以上となる見込みのあること。

4 資産総額が、上場の時までに50億円以上となる見込みのあること。

5 大口投資主が所有する投資口の総口数又は大口受益者が所有する受益権の総口数が、上場の時までに、上場投資口口数又は上場受益権口数の75%以下になる見込みのあること。

6 大口投資主を除く投資主又は大口受益者を除く受益者の数が、上場の時までに1,000人以上となる見込みのあること。

7 投資法人の規約において、投資主の請求による投資口の払戻し又は受益者の請求による信託契約期間中の解約をしないこととされていること。

8 投資法人の規約において、営業期間又は計算期間として定める期間が6か月以上であること。

9 新規上場申請銘柄が指定振替機関の振替業における取扱いの対象であること又は上場の時までに取扱いの対象となる見込みのあること。

10 新規上場申請銘柄が投資証券である場合には、投資信託法第166条第2項第8号に規定する投資主名簿等管理人が取引所の承認する機関として施行規則で定めるものであること。

<投資証券・投資法人債券の募集の取扱い>
最後に、金商法の適用の整理です。

投資証券も投資法人債も、第一項有価証券です。ですから、投資証券や投資法人債券の募集の取扱いや私募の取扱いは、第一種金融商品取引業です。

ただし、投信法は、資産運用会社が行うこれらの行為を第二種金融商品取引業とみなすとしていますので、資産運用会社は二種登録をしていれば、投資証券や投資法人債券の募集の取扱いや私募の取扱いができることになります。

ところが、これらの行為が二種業務とみなされているだけですから、これらの行為を行う資産運用会社の役職員は外務員登録が必要です。

この結果、投資証券や投資法人債券の募集の取扱いや私募の取扱いができるのは、実務的には、結局、証券会社のみということになります。

テーマ : 金融商品取引法
ジャンル : ファイナンス

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プロフィール

川崎善徳

Author:川崎善徳

<ブログの紹介>
金融商品取引法の体系としては、「金融商品取引法」、「金融商品取引法施行令」の他に、「定義府令」、「企業内容開示府令」、「特定有価証券開示府令」、「証券情報提供府令」、「金商業等府令」、「取引等規制府令」、「開示ガイドライン」などがあります。つまり、膨大だということです。

ただし、金融商品取引法が対象としているものは、2つしかありません。「有価証券」と「デリバティブ取引」です。これ以外のことを金融商品取引法は対象にしていません。また、金融商品取引法の規制には、3つの種類しかありません。「開示規制」、「業者規制(行為規制)」、「不公正取引規制」です。先に挙げた内閣府令はすべて(例外なく)、この3つのいずれかに関連しています。

開示規制は、上場会社や公募債発行の経験あるいは予定のある会社に関わる規制です。業者規制は、金融商品取引業者はもちろん、自主規制機関にも関わる規制です。不公正取引規制は、すべての人(個人・法人、居住者・非居住者を問わない)に関わる規制です。このため、膨大かつ難関な法律とされています。

このブログは、膨大かつ難解な金融商品取引法を、実務経験と知識に基づき、実務に役立つように、やさしく解説している、金融商品取引法の実務に関する日本初の、情報量で国内最大のブログです。

<プロフィール>
川崎善徳。1988年、慶應義塾大学文学部卒業、住友信託銀行に入社。1992年から証券業務のコンプライアンスを担当。1999年、転職し、アセットマネジメント会社や銀行のコンプライアンス部門を経て、BNPパリバ証券コンプライアンス部長、新生証券取締役コンプライアンス部長を歴任。2004年、行政書士登録。JSL行政書士事務所代表。

JSL行政書士事務所は、200社以上の金融商品取引業者との取引経験に基づき、金融商品取引業者の監査とコンサルティングを実施するコンサルティング・オフィス。また、金融商品取引業者のM&Aのアドバイザー、社内研修の講師、セミナーの講師も行っている。顧問契約を締結している金融商品取引業者は、証券会社(一種業者)、不動産信託受益権販売業者(二種業者)、事業型ファンド販売会社(二種業者)、不動産信託受益に関する助言業者(助言業者)、株券に関する助言業者(助言業者)、不動産AM(運用業者)他と多様な業種に及ぶ。

著書・雑誌:「金融商品取引法の基本がよくわかる本」(中経出版)、「金融商品取引法対応マニュアル」(住宅新報社)、「プレジデント」(取材)、「週刊金融財政事情」(取材)他

社内研修:東証一部上場会社、ジャスダック上場会社、上場会社の子会社、独立系企業、外資系企業と多岐にわたる金融商品取引業者の依頼に応じて日本全国で役員研修・社員研修を実施

セミナー講師:「投資助言業者のための検査対策」(金融財務研究会)、「第二種金融商品取引業者のための検査対策」(金融財務研究会、金融ファクシミリ新聞)、「第二種金融商品取引業者のための効果的な内部監査」(金融ファクシミリ新聞)

メールマガジン:、読者数国内最多の金融商品取引法専門メールマガジンを金融商品取引業者と金融当局に配信中

JSL行政書士事務所代表
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-3-2 郵船ビルディング1階
電話:03-5533-8785
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