証券取引等監視委員会検査3


証券取引等監視委員会にとって、記念すべき「第一回予告検査」を受けた会社は、私がコンプライアンス部長をしていた会社です。

私は生涯で(証券会社に戻らなければ)、のべ11回、検査を受けていますので、「初もの」もいろいろ経験しました。もっとも、昨日話した「事件」は、過酷な検査の「終焉」を経験したことになりますけど。

<予告検査>
主任検査官(一番上席の検査官のことです)から、皆さんの会社の代表取締役にかかってくる検査予告の電話で、主任検査官が言うことの中で、とても重要なことは、「書類の破棄、メールの削除を一切禁止します」という台詞です。

書類の破棄やメールの削除は、即、検査忌避(検査妨害)になります。検査忌避は、懲役刑の対象です。

<検査基準日>
金商業者の中には、「昨日までの書類の破棄、メールの削除を一切禁止します」と、「昨日までの」とはっきり言われる会社もあります。

「昨日」、つまり、予告のあった前日に何か意味があるのでしょうか?

あります。

検査予告日の前日は「検査基準日」だからです。

時間は流れているので、どこかを基準日として検査をしなければ効率的な検査はできませんから、検査基準日という日が設けられるのですが、予告検査の場合の検査基準日は、予告の前日、予告のない検査の場合の検査基準日は、臨店検査開始日の前日が検査基準日です。

ちなみに、検査基準日は将来にわたって、意味のある日になります。

なぜ?

次回の検査の検査(対象)期間は、この検査基準日の翌日(つまり、予告のあった日or臨店検査の初日)から次回の検査の検査基準日までの間だからです。

<書類集め>
最近は予告検査が多いので、予告検査を例にとると、主任検査官から電話で「何月何日にこちらに来てください」と言われます。金商業者は、指定のあった日に財務局に行かなければなりません。

ただし、金融庁管轄の金商業者の場合は、呼ばれるのではなく、証券取引等監視委員会の方から皆さんの会社にきます。

この日は何の日かと言うと、「提出書類のすり合わせの日」です。

なお、金商業者の中には、「提出書類の一覧表がFAXで送られてきました」と言う金商業者もいました。

「提出書類一覧」の話は次回しますが、提出書類一覧が欲しい二種業者の方がいましたら、”yoshinori_kawasaki@nifty.com”まで「提出書類一覧が欲しい」旨を書いたリクエストメールを送ってください。

無料で進呈しますが、私が作成したものですので、絶対に正しいという保証はありません。参考程度に見てもらう目的で作っています。

提出書類一覧のリクエストがある方は、必ず、会社名、役職名、氏名を書いて、会社のメールアドレスを使用してメールでリクエストしてください。一つでも漏れていた場合には、リクエストにお応えしかねます。

テーマ : 金融商品取引法
ジャンル : ファイナンス

プロフィール

川崎善徳

Author:川崎善徳

<ブログの紹介>
金融商品取引法の体系としては、「金融商品取引法」、「金融商品取引法施行令」の他に、「定義府令」、「企業内容開示府令」、「特定有価証券開示府令」、「証券情報提供府令」、「金商業等府令」、「取引等規制府令」、「開示ガイドライン」などがあります。つまり、膨大だということです。

ただし、金融商品取引法が対象としているものは、2つしかありません。「有価証券」と「デリバティブ取引」です。これ以外のことを金融商品取引法は対象にしていません。また、金融商品取引法の規制には、3つの種類しかありません。「開示規制」、「業者規制(行為規制)」、「不公正取引規制」です。先に挙げた内閣府令はすべて(例外なく)、この3つのいずれかに関連しています。

開示規制は、上場会社や公募債発行の経験あるいは予定のある会社に関わる規制です。業者規制は、金融商品取引業者はもちろん、自主規制機関にも関わる規制です。不公正取引規制は、すべての人(個人・法人、居住者・非居住者を問わない)に関わる規制です。このため、膨大かつ難関な法律とされています。

このブログは、膨大かつ難解な金融商品取引法を、実務経験と知識に基づき、実務に役立つように、やさしく解説している、金融商品取引法の実務に関する日本初の、情報量で国内最大のブログです。

<プロフィール>
川崎善徳。1988年、慶應義塾大学文学部卒業、住友信託銀行に入社。1992年から証券業務のコンプライアンスを担当。1999年、転職し、アセットマネジメント会社や銀行のコンプライアンス部門を経て、BNPパリバ証券コンプライアンス部長、新生証券取締役コンプライアンス部長を歴任。2004年、行政書士登録。現在、JSL行政書士事務所代表。多数の金融商品取引業者の顧問に就任。

JSL行政書士事務所は、100社以上の金融商品取引業者との取引経験に基づき、金融商品取引業者の監査とコンサルティングを実施するコンサルティング・オフィス。また、金融商品取引業者のM&Aのアドバイザー、社内研修の講師、セミナーの講師も行っている。顧問契約を締結している金融商品取引業者は、証券会社(一種業者)、不動産信託受益権販売業者(二種業者)、事業型ファンド販売会社(二種業者)、不動産信託受益に関する助言業者(助言業者)、株券に関する助言業者(助言業者)、不動産AM(運用業者)他と多様な業種に及ぶ。

著書・雑誌:「金融商品取引法の基本がよくわかる本」(中経出版)、「金融商品取引法対応マニュアル」(住宅新報社)、「プレジデント」(取材)、「週刊金融財政事情」(取材)他

社内研修:東証一部上場会社、ジャスダック上場会社、上場会社の子会社、独立系企業、外資系企業と多岐にわたる金融商品取引業者の依頼に応じて日本全国で役員研修・社員研修を実施

セミナー講師:「投資助言業者のための検査対策」(金融財務研究会)、「第二種金融商品取引業者のための検査対策」(金融財務研究会、金融ファクシミリ新聞)、「第二種金融商品取引業者のための効果的な内部監査」(金融ファクシミリ新聞)

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JSL行政書士事務所代表
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-3-2 郵船ビルディング1階
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