証券取引等監視委員会検査5


私が、当局検査を生涯で11回も受けた理由は、転職が多かったからです。転職先には、「川崎が転職してくると、検査が来る」と言われたものですが、事実は逆で、私が「次はあの会社に検査が入るはず」と読んで、転職していました。

なぜ?

金商法(旧証取法)をすべて記憶し、検査を乗り切る(処分を受けない)ことを追及することが楽しかったからです。証取法は私の愛読書で、ハワイに旅行にいっても持って行って、ホテルのプールサイドで読んでいました。

<業務方法書>
ここで、読者の方が金融商品取引業者であれば、検査を受ける前に、ぜひやっておいて欲しいプラクティスがあります。

業務方法書の検証です。

私は、金融商品取引業者向けのセミナーに講師として呼ばれることが多いですが、参加者(コンプライアンス部門や監査部門の方が多いです)にいつも「業務方法書を隅から隅まで読んだことがある人は手をあげてください」というお願いをします。

すると、全部読んだことがある人は、圧倒的に「少数派」です。

業務方法書はすべて読んでください。読んで、業務方法書の内容が、会社の実態に合っているかどうかを確認してみてください。

財務局は、業務方法書のサンプルを公開していますが、サンプルに赤字で次のように書いてあります。

「自社の実態と相違するなど、虚偽記載の場合は、行政処分の対象となります」

<臨店検査>
検査の実務に戻ります。

検査は、オンサイトとオフサイトがあります。オンサイトとは、金商業者の営業所で行われる検査のことです。「臨店検査」と呼ばれる検査で、通常、「検査」と言えば、オンサイト(臨店検査)を指します。

オフサイトは、検査官が金商業者の営業所に行かずに、電話やメールなどの手段を通じて行われる検査です。

<検査期間>
検査期間とは、検査官が皆さんの会社の営業所にいる期間のことではなく、検査の対象となる期間のことです。

初めて検査が行われる金商業者の場合、金商法に基づく登録日から検査期間は予告(予告なしの場合は臨店前日)までと言われるようです。

検査官が営業所にいる期間は、特に、名称はありませんが、「何日ですか」という質問を受けることがあります。

結論だけ言ってしまうと、1営業日から10営業日のいずれかであることが多いです。証券会社だけは特別で、1か月以上なることも多いです。

テーマ : 金融商品取引法
ジャンル : ファイナンス

プロフィール

川崎善徳

Author:川崎善徳

<ブログの紹介>
金融商品取引法の体系としては、「金融商品取引法」、「金融商品取引法施行令」の他に、「定義府令」、「企業内容開示府令」、「特定有価証券開示府令」、「証券情報提供府令」、「金商業等府令」、「取引等規制府令」、「開示ガイドライン」などがあります。つまり、膨大だということです。

ただし、金融商品取引法が対象としているものは、2つしかありません。「有価証券」と「デリバティブ取引」です。これ以外のことを金融商品取引法は対象にしていません。また、金融商品取引法の規制には、3つの種類しかありません。「開示規制」、「業者規制(行為規制)」、「不公正取引規制」です。先に挙げた内閣府令はすべて(例外なく)、この3つのいずれかに関連しています。

開示規制は、上場会社や公募債発行の経験あるいは予定のある会社に関わる規制です。業者規制は、金融商品取引業者はもちろん、自主規制機関にも関わる規制です。不公正取引規制は、すべての人(個人・法人、居住者・非居住者を問わない)に関わる規制です。このため、膨大かつ難関な法律とされています。

このブログは、膨大かつ難解な金融商品取引法を、実務経験と知識に基づき、実務に役立つように、やさしく解説している、金融商品取引法の実務に関する日本初の、情報量で国内最大のブログです。

<プロフィール>
川崎善徳。1988年、慶應義塾大学文学部卒業、住友信託銀行に入社。1992年から証券業務のコンプライアンスを担当。1999年、転職し、アセットマネジメント会社や銀行のコンプライアンス部門を経て、BNPパリバ証券コンプライアンス部長、新生証券取締役コンプライアンス部長を歴任。2004年、行政書士登録。現在、JSL行政書士事務所代表。多数の金融商品取引業者の顧問に就任。

JSL行政書士事務所は、100社以上の金融商品取引業者との取引経験に基づき、金融商品取引業者の監査とコンサルティングを実施するコンサルティング・オフィス。また、金融商品取引業者のM&Aのアドバイザー、社内研修の講師、セミナーの講師も行っている。顧問契約を締結している金融商品取引業者は、証券会社(一種業者)、不動産信託受益権販売業者(二種業者)、事業型ファンド販売会社(二種業者)、不動産信託受益に関する助言業者(助言業者)、株券に関する助言業者(助言業者)、不動産AM(運用業者)他と多様な業種に及ぶ。

著書・雑誌:「金融商品取引法の基本がよくわかる本」(中経出版)、「金融商品取引法対応マニュアル」(住宅新報社)、「プレジデント」(取材)、「週刊金融財政事情」(取材)他

社内研修:東証一部上場会社、ジャスダック上場会社、上場会社の子会社、独立系企業、外資系企業と多岐にわたる金融商品取引業者の依頼に応じて日本全国で役員研修・社員研修を実施

セミナー講師:「投資助言業者のための検査対策」(金融財務研究会)、「第二種金融商品取引業者のための検査対策」(金融財務研究会、金融ファクシミリ新聞)、「第二種金融商品取引業者のための効果的な内部監査」(金融ファクシミリ新聞)

メールマガジン:、読者数国内最多の金融商品取引法専門メールマガジンを金融商品取引業者と金融当局に配信中

JSL行政書士事務所代表
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-3-2 郵船ビルディング1階
電話:03-5533-8785
http://office-jsl.com/

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お問い合わせは、お問い合わせフォームで受け付けます。

<主な業務>
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