証券取引等監視委員会検査6


主任検査官にもいろいろな方がいましたが、最も凄かった人は、金融庁のY検査官と、証券取引等監視委員会のY検査官です。

証券取引等監視委員会のY検査官は、始め、何を調べているのかこちらからはわからないのですが、検査も後半になったときに、「これを調べていたのか!」とふいをつかれることがありました。

証券取引等監視委員会のY検査官とは、都合、3回、各々別の会社で検査を受けましたが、必ず、何か発見されてしまいました。

<ヒアリング>
検査は、「検査会場」で役職員がヒアリングを受けることから始まります。

検査会場(と検査官は呼びます)とは、皆さんの会社の会議室のことです。検査官は、検査に入ると、皆さんの会社の会議室のうち、検査官が検査をしやすい会議室を「検査会場」と定め、検査会場に缶詰めになります。

検査官は、必要に応じて、役職員を検査会場に呼んで、ヒアリングします。矢継ぎ早に質問をしてくる検査官もいますので、瞬発力が試されることもあります。

ヒアリングでは、複数の役職員が、同じ質問をされることがあります。同じ質問ですから、当然、すべての役職員から同じ回答が返ってくるはずです。もし、3人が同じ質問を受けたのに、2人が同じ回答で、1人が違う回答をした場合、「ウソをついている」と疑われるのは、少数派の1名です。

ヒアリングで、事実と異なることを言うと、即、「検査忌避」(最悪、懲役)です。だから、ヒアリングを受けた役職員は、事実・実態を話さなければなりません。

<質問票・整理票>
ヒアリングは、口頭で行われます。口頭でのやりとりが終わると、今度は書面でやり取りを行います。

この書面を「質問票」と言います。

質問票のやり取りの結果、検査官が指摘事項がある場合には、指摘事項を記載した書面が出ます。

この書面を「整理票」と言います。

整理票がすべて出揃ったところで、オンサイト(臨店検査)は終わりです。

<エグジット・ミーティング>
オンサイトの最終日、検査官が帰る直前に、主任検査官から代表取締役にオンサイトの結果、主任検査官が抱いた心象を話すミーティングがあります。

このミーティングを「エグジット・ミーティング」と言います。

<講評>
検査官が帰っても(オンサイトが終わっても)、オフサイトが続きます。オフサイトが終わると、代表取締役が財務局に呼ばれたり、証券取引等監視委員会が皆さんの会社を訪れたりして、主任検査官から最終的な結論を言い渡されます。

この場を「講評」と言います。

講評で指摘され事項は、ほぼほぼ正式な検査の指摘事項になります。

<検査終了通知書>
最終的に、証券取引等監視委員会(財務局)から検査結果を書いた紙が、代表取締役に渡されます。

この書面を「検査終了通知書」と言います。(私は、検査結果通知と呼んでいます)

検査終了通知が出て、予告又はオンサイトから始まった検査は、ようやく正式に終わりを迎えます。

テーマ : 金融商品取引法
ジャンル : ファイナンス

プロフィール

川崎善徳

Author:川崎善徳

<ブログの紹介>
金融商品取引法の体系としては、「金融商品取引法」、「金融商品取引法施行令」の他に、「定義府令」、「企業内容開示府令」、「特定有価証券開示府令」、「証券情報提供府令」、「金商業等府令」、「取引等規制府令」、「開示ガイドライン」などがあります。つまり、膨大だということです。

ただし、金融商品取引法が対象としているものは、2つしかありません。「有価証券」と「デリバティブ取引」です。これ以外のことを金融商品取引法は対象にしていません。また、金融商品取引法の規制には、3つの種類しかありません。「開示規制」、「業者規制(行為規制)」、「不公正取引規制」です。先に挙げた内閣府令はすべて(例外なく)、この3つのいずれかに関連しています。

開示規制は、上場会社や公募債発行の経験あるいは予定のある会社に関わる規制です。業者規制は、金融商品取引業者はもちろん、自主規制機関にも関わる規制です。不公正取引規制は、すべての人(個人・法人、居住者・非居住者を問わない)に関わる規制です。このため、膨大かつ難関な法律とされています。

このブログは、膨大かつ難解な金融商品取引法を、実務経験と知識に基づき、実務に役立つように、やさしく解説している、金融商品取引法の実務に関する日本初の、情報量で国内最大のブログです。

<プロフィール>
川崎善徳。1988年、慶應義塾大学文学部卒業、住友信託銀行に入社。1992年から証券業務のコンプライアンスを担当。1999年、転職し、アセットマネジメント会社や銀行のコンプライアンス部門を経て、BNPパリバ証券コンプライアンス部長、新生証券取締役コンプライアンス部長を歴任。2004年、行政書士登録。JSL行政書士事務所代表。

JSL行政書士事務所は、200社以上の金融商品取引業者との取引経験に基づき、金融商品取引業者の監査とコンサルティングを実施するコンサルティング・オフィス。また、金融商品取引業者のM&Aのアドバイザー、社内研修の講師、セミナーの講師も行っている。顧問契約を締結している金融商品取引業者は、証券会社(一種業者)、不動産信託受益権販売業者(二種業者)、事業型ファンド販売会社(二種業者)、不動産信託受益に関する助言業者(助言業者)、株券に関する助言業者(助言業者)、不動産AM(運用業者)他と多様な業種に及ぶ。

著書・雑誌:「金融商品取引法の基本がよくわかる本」(中経出版)、「金融商品取引法対応マニュアル」(住宅新報社)、「プレジデント」(取材)、「週刊金融財政事情」(取材)他

社内研修:東証一部上場会社、ジャスダック上場会社、上場会社の子会社、独立系企業、外資系企業と多岐にわたる金融商品取引業者の依頼に応じて日本全国で役員研修・社員研修を実施

セミナー講師:「投資助言業者のための検査対策」(金融財務研究会)、「第二種金融商品取引業者のための検査対策」(金融財務研究会、金融ファクシミリ新聞)、「第二種金融商品取引業者のための効果的な内部監査」(金融ファクシミリ新聞)

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JSL行政書士事務所代表
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