社内研修


社内研修の体制整備はできているでしょうか。

平成27年5月29日に社内研修の実施が、すべての金融商品取引業者に法令で義務付けられました。

この条文は登録拒否要件の一つと考えられますので、社内研修をしない会社は登録が取り消されても、文句は言えません。

社内研修の体制整備にあたっては、以下の点に留意する必要があります。

1 頻度
社内研修の頻度については何の規定もありませんが、年4回は必須だと考えます。なぜなら、年4回以上社内研修を実施しないと、「社内規則」を一通り説明することができないからです。

2 時間
私が、コンプライアンス担当者だった頃、社内研修の時間を「30分」としていました。短いかもしれませんが、集中して聞けるのは30分が限度と考えていたからです。

3 方法
私は、集合研修以外の方法で社内研修を実施したことがありませんが、ネット上の研修でも良いと思います。

4 対象
役職員全員が対象です。ただし、社内研修の内容によっては、まったく関係のない部署もあるでしょう。このような場合には、対象を、関係のある部署の役職員に限定しても、問題ありません。

役員の参加も必須です。社長でも例外はありません。社外取締役も関与の度合いにより個別に決めていくことになります。

私がコンプライアンス担当者だったときには、誰が参加したかがわかるように、参加者リストを予め作成しておいて、参加者本人にサインをさせることを欠かしたことがありません。
5 確認
私は、「理解度テスト」なるものをやったことがありませんが、今回の金商法の改正の趣旨をくむと、理解度テストは必須だと考えます。少なくても、私が現役のコンプライアンス担当者だったら、理解度テストを導入しているところです。

6 検証
役職員が社内研修で身に着けたことを実際に実行に移しているかどうかの検証も、今回の金商法の改正で必要なったと考えています。

検証は、必ずしも、コンプライアンス担当者が行わなければならないわけではなく、内部監査の監査項目とするのが現実的であると考えます。

「ここまでやる必要があるの?」

ここまでやらないと、社内研修の体制整備ができていると認められない時代に入ったと思います。

テーマ : 金融商品取引法
ジャンル : ファイナンス

プロフィール

川崎善徳

Author:川崎善徳

<ブログの紹介>
金融商品取引法の体系としては、「金融商品取引法」、「金融商品取引法施行令」の他に、「定義府令」、「企業内容開示府令」、「特定有価証券開示府令」、「証券情報提供府令」、「金商業等府令」、「取引等規制府令」、「開示ガイドライン」などがあります。つまり、膨大だということです。

ただし、金融商品取引法が対象としているものは、2つしかありません。「有価証券」と「デリバティブ取引」です。これ以外のことを金融商品取引法は対象にしていません。また、金融商品取引法の規制には、3つの種類しかありません。「開示規制」、「業者規制(行為規制)」、「不公正取引規制」です。先に挙げた内閣府令はすべて(例外なく)、この3つのいずれかに関連しています。

開示規制は、上場会社や公募債発行の経験あるいは予定のある会社に関わる規制です。業者規制は、金融商品取引業者はもちろん、自主規制機関にも関わる規制です。不公正取引規制は、すべての人(個人・法人、居住者・非居住者を問わない)に関わる規制です。このため、膨大かつ難関な法律とされています。

このブログは、膨大かつ難解な金融商品取引法を、実務経験と知識に基づき、実務に役立つように、やさしく解説している、金融商品取引法の実務に関する日本初の、情報量で国内最大のブログです。

<プロフィール>
川崎善徳。1988年、慶應義塾大学文学部卒業、住友信託銀行に入社。1992年から証券業務のコンプライアンスを担当。1999年、転職し、アセットマネジメント会社や銀行のコンプライアンス部門を経て、BNPパリバ証券コンプライアンス部長、新生証券取締役コンプライアンス部長を歴任。2004年、行政書士登録。現在、JSL行政書士事務所代表。コンプライアンス・リスク管理コンサルタントとして、上場会社、が外資系企業など多数の金融商品取引業者の顧問に就任。

JSL行政書士事務所は、100社以上の金融商品取引業者との取引経験に基づき、金融商品取引業者の監査とコンサルティングを実施するコンサルティング・オフィス。また、金融商品取引業者のM&Aのアドバイザー、社内研修の講師、セミナーの講師も行っている。顧問契約を締結している金融商品取引業者は、証券会社(一種業者)、不動産信託受益権販売業者(二種業者)、事業型ファンド販売会社(二種業者)、不動産信託受益に関する助言業者(助言業者)、株券に関する助言業者(助言業者)、不動産AM(運用業者)他と多様な業種に及ぶ。

著書・雑誌:「金融商品取引法の基本がよくわかる本」(中経出版)、「金融商品取引法対応マニュアル」(住宅新報社)、「プレジデント」(取材)、「週刊金融財政事情」(取材)他

社内研修:東証一部上場会社、ジャスダック上場会社、上場会社の子会社、独立系企業、外資系企業と多岐にわたる金融商品取引業者の依頼に応じて日本全国で役員研修・社員研修を実施

セミナー講師:「投資助言業者のための検査対策」(金融財務研究会)、「第二種金融商品取引業者のための検査対策」(金融財務研究会、金融ファクシミリ新聞)、「第二種金融商品取引業者のための効果的な内部監査」(金融ファクシミリ新聞)

メールマガジン:、読者数国内最多の金融商品取引法専門メールマガジンを金融商品取引業者と金融当局に配信中

JSL行政書士事務所
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