登録申請手続き(1)


金融商品取引業者として登録を受けるための手続きは、友人の大江ありす先生のホームページに詳細に記載されていますので、ここであらためて説明することは省略します。登録手続きは、行政書士に依頼しなくてもできることはできますが、ゼロから必要書類を作成したり、財務局とミーティングをもったりすることを考えると、相当な時間がかかるので、行政書士に依頼してしまった方が良いようです。ご自身でチャレンジされる方は、拙著「金融商品取引法対応マニュアル―すぐに使えるサンプル付き!」を参照してみてください。

登録手続きは、許認可手続きと異なり、書類と要件がそろっていればいつか必ず行政機関はOKを出すことになりますので、ここでは、登録が認められない場合である「登録拒否要件」をみていきましょう。

<登録取消し処分を受けた者>
過去に金融商品取引業者等としての登録を行政処分を受けて取り消された会社は、取消しの日から5年間は再登録できません。この登録拒否要件に引っかかる会社は、さすがにいないでしょう。

<罰金刑を受けた者>
会社法、貸金業法、宅建業法、割賦販売法など、商事に関する法令違反の結果、罰金刑を受けたことがある会社も、5年間は登録が認められません。罰金刑でアウトですから、これはあるかもしれません。

<人的構成の審査基準>
人的構成の審査要件とは、要するに、役員や社員に金融商品取引業者として営業活動させても金融商品取引法違反をしたり、不適切な行為をしたりしないと認められるかどうかを審査するということです。

業種によって審査基準が異なりますが、共通している点は、経営者が金融商品取引法や関係法令、金融庁が公表している監督指針を理解して実行できる知識と経験があること、役員か社員にコンプライアンスとリスク管理のプロフェッショナルがいることです。

実際の登録手続きは、金融庁が目指すものよりもかなり甘い審査で登録できてしまうので、結果として、登録はしたけれど検査の結果、登録取消し処分を受けて会社名と代表社名が金融庁や財務局のホームページで公開される会社が後を絶ちません。行政処分の結果として会社名と代表社名が公表されて汚名を受けるくらいなら、初めから登録しない方が良いように思うのですが。

めでたく登録を受けた会社の経営者は、少なくても月1回は、役員、社員のために、金融商品取引法の社内研修を継続的に実施すべきで、特に、行政処分を受ける可能性が高い分野は、万が一にでも会社名や代表社名が当局のホームページや新聞にさらされるリスクを回避するために、集中的に講義を行う体制が必須です。

テーマ : 金融商品取引法
ジャンル : ファイナンス

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プロフィール

川崎善徳

Author:川崎善徳

<ブログの紹介>
金融商品取引法の体系としては、「金融商品取引法」、「金融商品取引法施行令」の他に、「定義府令」、「企業内容開示府令」、「特定有価証券開示府令」、「証券情報提供府令」、「金商業等府令」、「取引等規制府令」、「開示ガイドライン」などがあります。つまり、膨大だということです。

ただし、金融商品取引法が対象としているものは、2つしかありません。「有価証券」と「デリバティブ取引」です。これ以外のことを金融商品取引法は対象にしていません。また、金融商品取引法の規制には、3つの種類しかありません。「開示規制」、「業者規制(行為規制)」、「不公正取引規制」です。先に挙げた内閣府令はすべて(例外なく)、この3つのいずれかに関連しています。

開示規制は、上場会社や公募債発行の経験あるいは予定のある会社に関わる規制です。業者規制は、金融商品取引業者はもちろん、自主規制機関にも関わる規制です。不公正取引規制は、すべての人(個人・法人、居住者・非居住者を問わない)に関わる規制です。このため、膨大かつ難関な法律とされています。

このブログは、膨大かつ難解な金融商品取引法を、実務経験と知識に基づき、実務に役立つように、やさしく解説している、金融商品取引法の実務に関する日本初の、情報量で国内最大のブログです。

<プロフィール>
川崎善徳。1988年、慶應義塾大学文学部卒業、住友信託銀行に入社。1992年から証券業務のコンプライアンスを担当。1999年、転職し、アセットマネジメント会社や銀行のコンプライアンス部門を経て、BNPパリバ証券コンプライアンス部長、新生証券取締役コンプライアンス部長を歴任。2004年、行政書士登録。JSL行政書士事務所代表。

JSL行政書士事務所は、200社以上の金融商品取引業者との取引経験に基づき、金融商品取引業者の監査とコンサルティングを実施するコンサルティング・オフィス。また、金融商品取引業者のM&Aのアドバイザー、社内研修の講師、セミナーの講師も行っている。顧問契約を締結している金融商品取引業者は、証券会社(一種業者)、不動産信託受益権販売業者(二種業者)、事業型ファンド販売会社(二種業者)、不動産信託受益に関する助言業者(助言業者)、株券に関する助言業者(助言業者)、不動産AM(運用業者)他と多様な業種に及ぶ。

著書・雑誌:「金融商品取引法の基本がよくわかる本」(中経出版)、「金融商品取引法対応マニュアル」(住宅新報社)、「プレジデント」(取材)、「週刊金融財政事情」(取材)他

社内研修:東証一部上場会社、ジャスダック上場会社、上場会社の子会社、独立系企業、外資系企業と多岐にわたる金融商品取引業者の依頼に応じて日本全国で役員研修・社員研修を実施

セミナー講師:「投資助言業者のための検査対策」(金融財務研究会)、「第二種金融商品取引業者のための検査対策」(金融財務研究会、金融ファクシミリ新聞)、「第二種金融商品取引業者のための効果的な内部監査」(金融ファクシミリ新聞)

メールマガジン:、読者数国内最多の金融商品取引法専門メールマガジンを金融商品取引業者と金融当局に配信中

JSL行政書士事務所代表
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-3-2 郵船ビルディング1階
電話:03-5533-8785
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