報告徴取命令に対する回答


現在、二種業協会の加入申請者が大挙して押し寄せているため、二種業協会ではさばききれないようです。

原則として、二種業協会に未加入の二種業者に発出された、平成27年6月19日付報告徴取命令(報告徴求と呼ばれる場合の方が多いです)の回答に関する相談が私のところに来ています。

<報告徴取命令>
報告徴取命令は、金商法第56条の2第1項に規定する内閣総理大臣(金融庁長官)から発出される「命令」です。いまだに、「アンケート」と勘違いしている金商業者がいますが、「命令」です。

命令違反(提出しない又は期限を遅れて提出する行為、虚偽の内容の提出又は虚偽の書類の添付をする行為)は、刑事罰の対象です。

<絶対に避けるべきこと>
今回の報告徴取命令は、大きく分けると、社内規則の整備と社内規則の遵守体制の整備の2点に関して報告を求めるものです。

いずれを回答するときであっても、絶対に避けるべきことは、「虚偽の報告」とならないようにすることです。

「当たり前じゃないか」と思うでしょうか。

例えば、社内規則は、平成27年5月29日(平成26年改正金商法施行日)以前に社内の正式な手続を経て施行されていなければなりませんが、実は、社内手続を経て承認された日が平成27年5月29日を超えていた場合、社内規則の「附則」に「この規程は、平成27年5月29日から施行する」とあれば、「虚偽の書類の添付をする行為」になります。

社内規則の内容が、金商業者の実態とあっていなかった場合、例えば、広告等の規則や投資勧誘に関する規則通りの運用がなされていなかった場合、社内規則は「虚偽の書類」になってしまいます。

社内体制(遵守体制)について、例えば、研修が実際には制度化されていないにもかかわらず、制度化されているような記載をしたり、金商業に特化した内部監査が行われていないにもかかわらず、「遵守状況は内部監査が監査する」と記載したりすれば、当然のことですが、虚偽の報告になり、登録取消しの可能性があります。

だから、報告徴取命令に対して報告をするときには、慎重に対応し、絶対に虚偽の記載にならないようにしなければなりません。

簡単にいえば、取り繕わないということです。

「取り繕わないと、二種業協会の未加入の例外を使えない!」という二種業者が、万一いたとしても、報告徴取命令に対して虚偽の報告をするよりは、まだましです。

テーマ : 金融商品取引法
ジャンル : ファイナンス

プロフィール

川崎善徳

Author:川崎善徳

<ブログの紹介>
金融商品取引法の体系としては、「金融商品取引法」、「金融商品取引法施行令」の他に、「定義府令」、「企業内容開示府令」、「特定有価証券開示府令」、「証券情報提供府令」、「金商業等府令」、「取引等規制府令」、「開示ガイドライン」などがあります。つまり、膨大だということです。

ただし、金融商品取引法が対象としているものは、2つしかありません。「有価証券」と「デリバティブ取引」です。これ以外のことを金融商品取引法は対象にしていません。また、金融商品取引法の規制には、3つの種類しかありません。「開示規制」、「業者規制(行為規制)」、「不公正取引規制」です。先に挙げた内閣府令はすべて(例外なく)、この3つのいずれかに関連しています。

開示規制は、上場会社や公募債発行の経験あるいは予定のある会社に関わる規制です。業者規制は、金融商品取引業者はもちろん、自主規制機関にも関わる規制です。不公正取引規制は、すべての人(個人・法人、居住者・非居住者を問わない)に関わる規制です。このため、膨大かつ難関な法律とされています。

このブログは、膨大かつ難解な金融商品取引法を、実務経験と知識に基づき、実務に役立つように、やさしく解説している、金融商品取引法の実務に関する日本初の、情報量で国内最大のブログです。

<プロフィール>
川崎善徳。1988年、慶應義塾大学文学部卒業、住友信託銀行に入社。1992年から証券業務のコンプライアンスを担当。1999年、転職し、アセットマネジメント会社や銀行のコンプライアンス部門を経て、BNPパリバ証券コンプライアンス部長、新生証券取締役コンプライアンス部長を歴任。2004年、行政書士登録。現在、JSL行政書士事務所代表。多数の金融商品取引業者の顧問に就任。

JSL行政書士事務所は、100社以上の金融商品取引業者との取引経験に基づき、金融商品取引業者の監査とコンサルティングを実施するコンサルティング・オフィス。また、金融商品取引業者のM&Aのアドバイザー、社内研修の講師、セミナーの講師も行っている。顧問契約を締結している金融商品取引業者は、証券会社(一種業者)、不動産信託受益権販売業者(二種業者)、事業型ファンド販売会社(二種業者)、不動産信託受益に関する助言業者(助言業者)、株券に関する助言業者(助言業者)、不動産AM(運用業者)他と多様な業種に及ぶ。

著書・雑誌:「金融商品取引法の基本がよくわかる本」(中経出版)、「金融商品取引法対応マニュアル」(住宅新報社)、「プレジデント」(取材)、「週刊金融財政事情」(取材)他

社内研修:東証一部上場会社、ジャスダック上場会社、上場会社の子会社、独立系企業、外資系企業と多岐にわたる金融商品取引業者の依頼に応じて日本全国で役員研修・社員研修を実施

セミナー講師:「投資助言業者のための検査対策」(金融財務研究会)、「第二種金融商品取引業者のための検査対策」(金融財務研究会、金融ファクシミリ新聞)、「第二種金融商品取引業者のための効果的な内部監査」(金融ファクシミリ新聞)

メールマガジン:、読者数国内最多の金融商品取引法専門メールマガジンを金融商品取引業者と金融当局に配信中

JSL行政書士事務所代表
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-3-2 郵船ビルディング1階
電話:03-5533-8785
http://office-jsl.com/

<お問い合わせ>
お問い合わせは、お問い合わせフォームで受け付けます。

<主な業務>
主な業務は、主な業務をご覧ください。

ブログの内容は個人的見解ですので、正確性は保証いたしません。また、ブログの内容に関する質問を含め、質問には一切回答いたしかねますので、ご了承ください。

プライバシーポリシー

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
Translation
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード