変貌する検査対策


ちょっとセミナー業界の裏話になりますが、私が講師をしている「二種業者のための検査対応セミナー」は、企画・主催をしている金融財務研究会が金商業者を対象として主催するセミナーの中では、参加希望者が多いセミナーらしく、第一回目は「ホームラン」と言われたことを覚えています。何がホームランだったかというと参加者が30人を超えたことがホームランだったらしく、「50人を超えれば満塁ホームランなんですけどね」と言われました。

既に3年のロングランになりますので、満塁ホームランはムリですが、今でも参加者が多い理由は、私のセミナーの内容が良いからというより(聞いてみないとわからないのだから、これはあり得ない)、二種業者、特に、宅建業者の方の検査に対する意識が高い現れだと思います。

金融行政は、平成10年に事前規制から事後規制に転換して以来、端的にいうと、参入障壁を下げる代わりに、検査で締め出す率を上げるという方向で進んでいるため、金商業者は、検査を意識しないで事業を行うことは許されないわけで、この点を早く、敏感に感じ取った二種業者の方が、全国から集まり、ホームラン・セミナーになったのだと思います。

私は、昭和の時代に大学を卒業して銀行に入社して以来、四半世紀が経った現在に至るまで、証券・金融業界で、コンプライアンスの第一線を走っているため、検査対策が日常生活の一部になっています。銀行で最初に教わったことは、まだ、事前規制だった当時でさえ、挨拶でも、札勘でもなく、大蔵省の検査対策でした。

当時の検査対策は、お粗末なもので、営業店では自店(店内)検査と本店検査部の検査が行われ(「模擬大蔵検査」)、部店長が内向きになっていくきっかけを作り、本部では東大法学部出身者が集まる「業務部」が、日夜大蔵省に出向く(これが後に、東京地検が大蔵省の解体に動く一因となった)というものでした。今の銀行を知りませんが、こんなお粗末な検査対策が当時は「常識」で、「銀行の常識は世間の非常識」という批判は当たっていました。

現在の検査対策は、もっと生産的で、上場会社が監査法人の監査を受けるように、外部の機関の検査を受けて、自社に何事もないことを確認してもらい、ひいては、市場の信頼性向上、業績向上につなげるという考え方に基づいています。

検査対策も、こそこそ行う暗いものから、表に発信したい明かるものに変貌した、というと言い過ぎですが、「正しい」とされる外部機関の評価を受けるのだから、外部機関の評価基準に沿った経営・業務運営を行うという健全なものに変わりました。

しばらくの間、私は多忙を理由に検査対策セミナーの講師を敬遠していましたが、4月に検査対策セミナーの講師をします。久しぶりに講師をする理由は、私のクライアントにも検査が頻繁に入るようになって、私が知らなかった、新しい評価基準が次々に明らかになり、私のセミナーの内容を最新の情報にアップデートしなければならない時期に来たと思ったからです。

二種業者のための検査対策セミナーは、こちらで確認してください。

4月の金商業者は忙しいでしょうから、参加者は少ないかもしれませんが、私自身の11回に及ぶ金融庁・証券取引等監視委員会の検査経験に加え、最近の検査動向を踏まえ、外部機関である証券取引等監視委員会の評価基準について、お話したいと考えていますので、お時間のある方は、ぜひ、ご参加ください。ブログの読者の方と直に会えることを楽しみにしています。

なお、二種業者のための検査対策セミナーは、備考欄に「講師紹介」と書くと、参加料が、5000円安くなるという特典があるらしいので、お申込みの際は、講師紹介と書くようにしてみてください。

勘違いされたくないので念のため申し上げておくと、講師料というものは、ほとんどありませんので、セミナー講師を引き受ける理由は、一人でも多くの方と最新の情報を共有するためです。

検査対策が明るい話題とは言いませんが、正しいとされる外部評価機関の評価を受けるのだから、評価基準に沿った経営・業務運営をするのは当たり前の話で、私が講師をするセミナーでなく、検査官経験者のセミナーでも良いので、金商業者であれば、一度は、参加しておくべきだと考えます。


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テーマ : 金融商品取引法
ジャンル : ファイナンス

プロフィール

川崎善徳

Author:川崎善徳

<ブログの紹介>
金融商品取引法の体系としては、「金融商品取引法」、「金融商品取引法施行令」の他に、「定義府令」、「企業内容開示府令」、「特定有価証券開示府令」、「証券情報提供府令」、「金商業等府令」、「取引等規制府令」、「開示ガイドライン」などがあります。つまり、膨大だということです。

ただし、金融商品取引法が対象としているものは、2つしかありません。「有価証券」と「デリバティブ取引」です。これ以外のことを金融商品取引法は対象にしていません。また、金融商品取引法の規制には、3つの種類しかありません。「開示規制」、「業者規制(行為規制)」、「不公正取引規制」です。先に挙げた内閣府令はすべて(例外なく)、この3つのいずれかに関連しています。

開示規制は、上場会社や公募債発行の経験あるいは予定のある会社に関わる規制です。業者規制は、金融商品取引業者はもちろん、自主規制機関にも関わる規制です。不公正取引規制は、すべての人(個人・法人、居住者・非居住者を問わない)に関わる規制です。このため、膨大かつ難関な法律とされています。

このブログは、膨大かつ難解な金融商品取引法を、実務経験と知識に基づき、実務に役立つように、やさしく解説している、金融商品取引法の実務に関する日本初の、情報量で国内最大のブログです。

<プロフィール>
川崎善徳。1988年、慶應義塾大学文学部卒業、住友信託銀行に入社。1992年から証券業務のコンプライアンスを担当。1999年、転職し、アセットマネジメント会社や銀行のコンプライアンス部門を経て、BNPパリバ証券コンプライアンス部長、新生証券取締役コンプライアンス部長を歴任。2004年、行政書士登録。現在、JSL行政書士事務所代表。コンプライアンス・リスク管理コンサルタントとして、上場会社、が外資系企業など多数の金融商品取引業者の顧問に就任。

JSL行政書士事務所は、100社以上の金融商品取引業者との取引経験に基づき、金融商品取引業者の監査とコンサルティングを実施するコンサルティング・オフィス。また、金融商品取引業者のM&Aのアドバイザー、社内研修の講師、セミナーの講師も行っている。顧問契約を締結している金融商品取引業者は、証券会社(一種業者)、不動産信託受益権販売業者(二種業者)、事業型ファンド販売会社(二種業者)、不動産信託受益に関する助言業者(助言業者)、株券に関する助言業者(助言業者)、不動産AM(運用業者)他と多様な業種に及ぶ。

著書・雑誌:「金融商品取引法の基本がよくわかる本」(中経出版)、「金融商品取引法対応マニュアル」(住宅新報社)、「プレジデント」(取材)、「週刊金融財政事情」(取材)他

社内研修:東証一部上場会社、ジャスダック上場会社、上場会社の子会社、独立系企業、外資系企業と多岐にわたる金融商品取引業者の依頼に応じて日本全国で役員研修・社員研修を実施

セミナー講師:「投資助言業者のための検査対策」(金融財務研究会)、「第二種金融商品取引業者のための検査対策」(金融財務研究会、金融ファクシミリ新聞)、「第二種金融商品取引業者のための効果的な内部監査」(金融ファクシミリ新聞)

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