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平成29事務年度金融行政方針


11月13日のメールマガジンの抜粋です。



2017年11月10日に金融庁が「平成29事務年度金融行政方針」を、証券取引等監視委員会が「証券モニタリング概要・事例集」を公表しました。

全般的に、いずれも日常使わない英単語が多く、私は外資系に10年以上いましたが、英語(カタカナ)が理解できませんでした。金融の国際化と、正しい日本語の使い方は別問題だと思います。

以下、金融行政方針についてのコメントです。

金商業者にとってプラスの点に着目すると、「法令等に基づく申請等に関して、財務局も含めて、金融機関とのコミュニケーションの強化による早期の論点の絞込みや過剰な資料提出要求の防止に努め、許認可等の審査プロセスの効率化・迅速化・透明化を一層進めていく」という一文があります。

また、「東京国際金融センター構想の推進」では、「海外資産運用業者等について、金融業の登録申請等をスムーズに進める「ファストエントリー」を実現する」と言っています。

以上から、国内企業の金商業への参入や、外国金商業者の国内金商業への参入が促進されそうです。

このことは、既存の国内金商業者にとっても朗報で、例えば、次のことが容易になるかもしれません。

1  REIT運用業者が、二種業務を兼任する場合、新設分割により、分割会社にREIT運用機能を残し、新設会社に二種業務を移すことにより、REIT運用業務に専念する

2 事業型ファンドを組成する二種業者が、自ら、事業を運営する場合、新設分割により、分割会社に事業運営機能(AM機能)を残し、新設会社に二種業務を移すことにより、利益相反を回避する

3 二種・助言業者が、持ち株会社になるために、新設分割により、分割会社の金商業を廃止し、新設会社に二種業務と助言業務を移す

以上のことは、従来、新設会社にかかる登録手続が長引き、予定の期日に間に合わないリスクがありました。

実際、私は、以上の事例を手掛けてきましたが、財務局も協力して進めてくれたものの、当初の予定の期日通りには進みませんでした。

今後は、このようなリスクがなくなるかもしれません。

新設分割に限らず、金商業者の以下の「至急の」ニーズにも対応できるかもしれません。

1 経営環境の変化で、至急、助言業務も行いたいという二種業者のニーズ

2 投資家のグリップのため、至急、運用業務も行いたいという助言業者のニーズ

3 組織変更で、新設する子会社にも、至急、二種業務を行わせたいという二種業者のニーズ

次に、金商業者にとって、体制整備が求められる点に着目すると、コンプライアンスに関して、金融庁は、次のメッセージを出しています。

「国際的にも、世界金融危機以降、企業文化やガバナンスに遡って問題事象の根本原因を検証し、また、経済環境等の変化を踏まえフォワードルッキングにリスクを把握するなどコンプライアンスをリスク管理の一環として捉え、その高度化に向けた議論が活発に行われているところである」

「当局としては、金融機関の目指すべきコンプライアンスリスク管理態勢の方向性と課題に関し、金融機関の自主的な努力を促していく」

従来、コンプライアンス活動といえば、法令等違反防止というマクロ的な目標を目指す活動を指していましたが、今後は、従来の活動に加え、社会情勢や経済環境の変化によって顕在化し得ると予想されるコンプライアンスリスクを洗い出し、各々のリスクを管理するというミクロ的な目標にも対応することが必要になると考えます。



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テーマ : 金融商品取引法
ジャンル : ファイナンス

プロフィール

川崎善徳

Author:川崎善徳

<ブログの紹介>
金融商品取引法の体系としては、「金融商品取引法」、「金融商品取引法施行令」の他に、「定義府令」、「企業内容開示府令」、「特定有価証券開示府令」、「証券情報提供府令」、「金商業等府令」、「取引等規制府令」、「開示ガイドライン」などがあります。つまり、膨大だということです。

ただし、金融商品取引法が対象としているものは、2つしかありません。「有価証券」と「デリバティブ取引」です。これ以外のことを金融商品取引法は対象にしていません。また、金融商品取引法の規制には、3つの種類しかありません。「開示規制」、「業者規制(行為規制)」、「不公正取引規制」です。先に挙げた内閣府令はすべて(例外なく)、この3つのいずれかに関連しています。

開示規制は、上場会社や公募債発行の経験あるいは予定のある会社に関わる規制です。業者規制は、金融商品取引業者はもちろん、自主規制機関にも関わる規制です。不公正取引規制は、すべての人(個人・法人、居住者・非居住者を問わない)に関わる規制です。このため、膨大かつ難関な法律とされています。

このブログは、膨大かつ難解な金融商品取引法を、実務経験と知識に基づき、実務に役立つように、やさしく解説している、金融商品取引法の実務に関する日本初の、情報量で国内最大のブログです。

<プロフィール>
川崎善徳。慶應義塾大学文学部卒業、住友信託銀行に入社。1992年から証券業務のコンプライアンスを担当。1999年、転職し、アセットマネジメント会社や銀行のコンプライアンス部門を経て、BNPパリバ証券コンプライアンス部長、新生証券取締役コンプライアンス部長を歴任。2004年、行政書士登録。現在、JSL行政書士事務所代表。コンプライアンス・コンサルタントとして、上場会社、が外資系企業など多数の金融商品取引業者の顧問に就任。


JSL行政書士事務所
Tel: 03-5533-8785

JSL行政書士事務所は、100社以上の金融商品取引業者との取引経験に基づき、金融商品取引業者の監査とコンサルティングを実施するコンサルティング・オフィス。また、金融商品取引業者のM&Aのアドバイザー、社内研修の講師、セミナーの講師も行っている。顧問契約を締結している金融商品取引業者は、証券会社(一種業者)、不動産信託受益権販売業者(二種業者)、事業型ファンド販売会社(二種業者)、不動産信託受益に関する助言業者(助言業者)、株券に関する助言業者(助言業者)、不動産AM(運用業者)他と多様な業種に及ぶ。

著書・雑誌:「金融商品取引法の基本がよくわかる本」(中経出版)、「金融商品取引法対応マニュアル」(住宅新報社)、「プレジデント」(取材)、「週刊金融財政事情」(取材)他

社内研修:東証一部上場会社、ジャスダック上場会社、上場会社の子会社、独立系企業、外資系企業と多岐にわたる金融商品取引業者の依頼に応じて日本全国で役員研修・社員研修を実施

セミナー講師:「投資助言業者のための検査対策」(金融財務研究会)、「第二種金融商品取引業者のための検査対策」(金融財務研究会、金融ファクシミリ新聞)、「第二種金融商品取引業者のための効果的な内部監査」(金融ファクシミリ新聞)

メールマガジン:、金融商品取引法専門メールマガジンを200社を超える金融商品取引業者と金融当局に配信中

JSL行政書士事務所
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-3-2 郵船ビルディング1階
電話:03-5533-8785
http://office-jsl.com/

<主な業務>
主な業務は、主な業務をご覧ください。

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