平成21年改正金融商品取引法(20)


4月1日以降の仕組債の販売方法の実務について、これまでの話をここでまとめておきます。



<適格機関投資家のみに販売する場合>
適格機関投資家向け勧誘を利用する。(法23条1項)
① まだ発行されていない仕組債を販売する場合にはプロ私募。適格機関投資家以外の者に販売できないという転売制限を付ける。(現行通り。)

② 外国で既に発行された仕組債を販売する場合にはプロ私売出し。①と同じ転売制限を付ける。(新設。現行は、基本的に転売制限を付ける必要なし。)

③ ②を利用するしても、日本証券業協会に銘柄や数量を報告する義務はなし。



<少人数に販売する場合>
少人数向け勧誘を利用する。(法23条3項)
① まだ発行されていない仕組債を販売する場合には少人数私募。一括譲渡制限か単位未満分割禁止制限を内容とする転売制限を付ける。(新設り。現行は基本的に一括譲渡制限のみ。)

② 外国で既に発行された仕組債を販売する場合には少人数私売出し。①と同じ転売制限を付ける。(新設。現行は一括譲渡制限を内容とする転売制限を付けるか外国証券内容説明書の交付。)

③ ②を利用する場合は、日本証券業協会に銘柄や数量を報告する義務が発生。



<証券会社に販売する場合>
売出しに該当しない取引(卸し販売)を利用する。(令1条の7の3・6号)
① 外国で既に発行された仕組債にのみ適用可能。

② 転売制限なし。

③ ただし、卸し販売した証券会社に日本証券業協会に銘柄や数量を報告する義務が発生。

外国特殊法人債を利用する。(令1条の7の3・6号)
① 外国で既に発行された仕組債にのみ適用可能。

② 転売制限なし。

③ 日本証券業協会に銘柄や数量を報告する義務はなし。

④ 最終投資家に販売する証券会社(卸し先証券会社)に、外国証券情報(発行者情報と証券情報の2部構成)の提供・公表義務が発生。ただし、発行者が有価証券報告書提出会社の場合は、証券情報のみ提供・公表すればOK。

少人数向け勧誘を利用する。(法23条3項)
① まだ発行されていない仕組債を販売する場合には少人数私募。一括譲渡制限か単位未満分割禁止制限を内容とする転売制限を付ける。(新設り。現行は基本的に一括譲渡制限のみ。)

② 外国で既に発行された仕組債を販売する場合には少人数私売出し。①と同じ転売制限を付ける。(新設。現行は一括譲渡制限を内容とする転売制限を付けるか外国証券内容説明書の交付。)

③ ②を利用する場合は、日本証券業協会に銘柄や数量を報告する義務が発生。

④ ②を利用するなら、転売制限として単位未満分割禁止制限を付けることがお勧め。

<適格機関投資家のみに販売する場合>
適格機関投資家向け勧誘を利用する。(法23条1項)
① まだ発行されていない仕組債を販売する場合にはプロ私募。適格機関投資家以外の者に販売できないという転売制限を付ける。(現行通り。)

② 外国で既に発行された仕組債を販売する場合にはプロ私売出し。①と同じ転売制限を付ける。(新設。現行は、基本的に転売制限を付ける必要なし。)

③ ②を利用するしても、日本証券業協会に銘柄や数量を報告する義務はなし。

以上です。

テーマ : 金融商品取引法
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川崎善徳

Author:川崎善徳

<ブログの紹介>
金融商品取引法の体系としては、「金融商品取引法」、「金融商品取引法施行令」の他に、「定義府令」、「企業内容開示府令」、「特定有価証券開示府令」、「証券情報提供府令」、「金商業等府令」、「取引等規制府令」、「開示ガイドライン」などがあります。つまり、膨大だということです。

ただし、金融商品取引法が対象としているものは、2つしかありません。「有価証券」と「デリバティブ取引」です。これ以外のことを金融商品取引法は対象にしていません。また、金融商品取引法の規制には、3つの種類しかありません。「開示規制」、「業者規制(行為規制)」、「不公正取引規制」です。先に挙げた内閣府令はすべて(例外なく)、この3つのいずれかに関連しています。

開示規制は、上場会社や公募債発行の経験あるいは予定のある会社に関わる規制です。業者規制は、金融商品取引業者はもちろん、自主規制機関にも関わる規制です。不公正取引規制は、すべての人(個人・法人、居住者・非居住者を問わない)に関わる規制です。このため、膨大かつ難関な法律とされています。

このブログは、膨大かつ難解な金融商品取引法を、実務経験と知識に基づき、実務に役立つように、やさしく解説している、金融商品取引法の実務に関する日本初の、情報量で国内最大のブログです。

<プロフィール>
川崎善徳。1988年、慶應義塾大学文学部卒業、住友信託銀行に入社。1992年から証券業務のコンプライアンスを担当。1999年、転職し、アセットマネジメント会社や銀行のコンプライアンス部門を経て、BNPパリバ証券コンプライアンス部長、新生証券取締役コンプライアンス部長を歴任。2004年、行政書士登録。JSL行政書士事務所代表。

JSL行政書士事務所は、200社以上の金融商品取引業者との取引経験に基づき、金融商品取引業者の監査とコンサルティングを実施するコンサルティング・オフィス。また、金融商品取引業者のM&Aのアドバイザー、社内研修の講師、セミナーの講師も行っている。顧問契約を締結している金融商品取引業者は、証券会社(一種業者)、不動産信託受益権販売業者(二種業者)、事業型ファンド販売会社(二種業者)、不動産信託受益に関する助言業者(助言業者)、株券に関する助言業者(助言業者)、不動産AM(運用業者)他と多様な業種に及ぶ。

著書・雑誌:「金融商品取引法の基本がよくわかる本」(中経出版)、「金融商品取引法対応マニュアル」(住宅新報社)、「プレジデント」(取材)、「週刊金融財政事情」(取材)他

社内研修:東証一部上場会社、ジャスダック上場会社、上場会社の子会社、独立系企業、外資系企業と多岐にわたる金融商品取引業者の依頼に応じて日本全国で役員研修・社員研修を実施

セミナー講師:「投資助言業者のための検査対策」(金融財務研究会)、「第二種金融商品取引業者のための検査対策」(金融財務研究会、金融ファクシミリ新聞)、「第二種金融商品取引業者のための効果的な内部監査」(金融ファクシミリ新聞)

メールマガジン:、読者数国内最多の金融商品取引法専門メールマガジンを金融商品取引業者と金融当局に配信中

JSL行政書士事務所代表
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-3-2 郵船ビルディング1階
電話:03-5533-8785
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